2024年07月03日(水) |
真に得たりし花なるがゆえに。 |
はっきり言おう。 私は今日、朝からそれはもうどきどきしていた。
そわそわしすぎて出がけには玄関の低い方のシューズボックスに顔をつっこみすぎ、立ち上がる際しこたま頭󠄀をぶつけたほどだ。
だが頭󠄀をぶつけたことで、はっと我に返った。
落ち着け落ち着け。 慌てずまずは自分が無事に現地へと向かえ。
「野村万作・萬斎狂言公演〜狂言三代〜」佐賀市文化会館
それはもう、 年来稽古条々をなぞるが如き舞台。 いや、それをはるかに超越した域にあった。
93歳のすっぱはすんと通る声とその表情、醸す所作で1800席の大ホールを埋める客を六地蔵の世界に引き込み笑わせる。
私が初めて見たのは90年代。演目は釣狐だった。
ーー老木になるまで花は散らで残りしなり。
今宵、これ眼の当たり。
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