今日は北山ダムにドライブです。 ぶいぶい行って参りました。
息子はどんぐり拾いに夢中。 奥までいくとアスレチックを発見したので ひとしきり遊んでおりました。
途中、シカを飼育しているところがありまして そこでは小学生のお子さまの一団と遭遇。 シカに枯れ葉を差しだそうとした息子にそのうちの一人が優しく声をかけてきて 「枯れ葉は食べないけど、どんぐりや緑の葉っぱなら食べるよ。あげてごらん」と どこからか探してきた長い葉っぱをくれました。
それから小さい息子にも仲間の子と同じように 「ツノが立派なのが一番強いシカみたいだよ。あれがくると、他のオスがみんな逃げてしまうんだ」 と説明してくれました。
それを聞いて息子も「どれが強いー?」と興味を示して探しています。
単にシカを見るにもこのお子さまはやはり視点が違います。 しかも通りかかった見知らぬ息子に対しても さりげなく優しく思いやりがあるときました。
何もこの子、できすぎ君みたいに本片手に歩いてるわけではありません。 しばらくすると少年らしく駆けていき、 どんぐりを拾おう!と、仲間に声をかけて行ってしまいました。
息子にもあーいう少年になって欲しいなあと思いつつ 彼らの後ろ姿を見守り、 ひさびさにお子さまに対して感心した私でした。
さて、 ひとしきりダム周辺で遊び その後、三ツ瀬峠付近に戻って土産売り場で買い物をしようと車を止めました。 息子はそこに子供用の滑り台があるのを見て 「ここで遊びたい」と言うので見守ることに。
やがて彼は同じ歳くらいの男の子と仲良く遊び始め 一緒に水鳥を眺めたりしておりましたが 小さな池から滑り台に戻ろうと駆け出したとき 足下に垂れ下がっていたロープに足を取られ 石畳の上でおもいっきり顔から転んでしまいました。
大泣きしながら立ち上がった息子の口からは 唾液に混ざってどわーっと血が流れてきたのですが そのとき周囲にいた小学生くらいの男の子の集団は、 わんわん泣く息子を指さして大笑いしておりました。
さっきのダムで会った子とはえらい違い。 同じ小学生でこの格差。
息子と一緒に遊んでいた五歳くらいの男の子は 私が息子の口にハンカチをあてて抱きしめている横にきて 「大丈夫?大丈夫?」と 一生懸命心配してくれていました。
「ケガしちゃったけどすぐ治るよ。心配してくれてありがとう」と私が言うと 少しだけホッとしたような顔をしつつも 泣きじゃくる息子をいつまでも心配そうに見つめていました。
五歳の子の心のなんという美しさよ。
息子のケガは上唇の内側とその下の歯茎を切ったのと 前歯にすこしばかりヒビが入ってしまった程度で済み、 血も早く止まって食事もその夜からとれるようになりましたが 私には、 ケガをした小さな子を指さしていつまでも嘲る小学生たちと 息子のためにわざわざ長い葉っぱを持ってきてくれた小学生と 泣いている息子をいつまでも心配してくれた小さな男の子の顔が 天と地との境目で いつまでも交錯していました。
優しさの芽を摘むのは誰なんだろう。 その親だろうか。 育つ環境だろうか。
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