2001年01月31日(水) |
無事でなにより・・・ |
・・・目が覚めた。 ドキドキしながら障子戸に手をかけた。
降ってない。 道路も白くない。
よっしゃー!安心して帰れるぞーっっ!!
朝食後、 食事処から部屋へ戻る途中、 息子は何度も何度も振り返る。 どーした息子よ。
・・・仲居さんが若いのか。そーかそーか。
あたしはそー思ったが、 大旦那は違うという。 昨日、夕食後に黒川の宿が建ち並ぶ小道を散歩していたとき、 「首なし地蔵さま」という場所に立ち寄ったので、 そのお地蔵さまがついてきてるというのだ。 それはありがたいことではないか!
このお地蔵さまにはこんないい伝えがある。
昔、貧しい塩売りの息子が病気の父親のためにスイカを盗もうと決心し、 お供えするものがないのでお地蔵さまに売り物の塩をお供えし、 いまからスイカを盗みます、許してくださいと手をあわせて畑に入ったところ、 畑の持ち主に見つかり、首を切られてしまったが、 そこには塩売りの息子の首ではなく、 お地蔵さまの首が落ちていたという。
なんて心優しいお地蔵さまなんだろう。
このお地蔵さまが息子を守ってくれるなんて、 ほんとうにありがたいことだった。
でも息子が振り向く理由は、 若い仲居さんたちが後ろから「かわいーい」と言ってくれるからに他ならないのだが。
さて、これからは帰路。 気持ちを引き締めて帰ろう!
もちろん山を下る右へ進路をとるものと思っていた。 しかし大旦那はこう言った。 「もう、雪も降ってないし、昨日通ってない道で帰ろう」と。
了解。
そして車は軽快に走り出す。 このあとに警戒が必要になってくることも知らずに・・・
彼は言う、 「筋湯温泉を見て帰りたい」と。
道路の雪は溶けている。 まあいい、行こう。
進む。 進む。
細い道に入る。
進む。 ・・・迷う。
なんかだんだん雪が多いよ。
でも道路の雪は溶けてるから大丈夫。
進む。 途中、水をまいて雪を溶かしているおじいちゃん発見。 「この先、とおれます?」 「あー、バスも走ってるし」 「ありがとーごさいまーす」
それから三十秒も走らないところで、 車はアイスバーンにさしかかりスリップする。
ガードレールは、 ない。
向こうから軽トラックがくる。 バックしたい。 が、スリップしてバックできない。
軽トラのおじいちゃんが下がってくれた。 じわりじわりと前進する。 ・・・抜けた。
ひ・・・引き返そうにもUターンする場所がない。 進む。 あ、看板発見! 「この先スキー場」
え・・・。
でもこの道をいかないと、 もうどうすることもできない。 慎重に走り続けることしばし。 右手に見えますのはスキー場。 左手に見えますのは立ち往生して放置された車が二台。 きっと昨夜、ここに入り込んだのだろう。 そーとー雪に埋もれていた。
ところがどっこい、 ここを抜けたあとが素晴らしかった。 はじめて見る雪景色!! 道の両側は真っ白な雪の林!!!
しばらくあたしの口からは感嘆しか出てこない。 こんな九州をあたしは知らない!! まるで別世界だーーーーーっ
そうか、 スキーって、 こんな景色も楽しむことができるんだ。 九州でもここまでくれば、 スキーができるんだーーーー なーるほどーーーーーーーーっ!
骨が丈夫なうちに、 一度はスキーをやってみたいと、 かたーく心に誓ったおかんでした。
それから一時間ほどで高塚地蔵に到着。 無事に戻れた御礼と楽しい旅の報告をして、 それからはスイスイっと高速であっさりと我が家へ到着。
はぁぁ〜〜。 とってもスリルとサスペンスと極楽気分の旅だったなーと回想しながら、 何事もなく帰宅できたことを感謝しつつ、 さっそく洗濯物にとりかかる、いつもの主婦の生活に戻る。
息抜きって、いいねっ。 雪も、なんか楽しい!
過ぎてしまえばドキドキしたことも、 楽しい思い出になるから人生っていーなと思うっ。
よし、 次はチェーン持っていくぞっ!
そう、ノーマルタイヤのみで、 この過酷な二泊三日の旅をしてきた私たちでした。
・・・(-∧-;)
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