ア イ デ ン テ ィ テ ィ 。   by胡桃。
2004年05月12日(水)  普通でいれること。
今日会社のパートのオバさんと。

休憩中にたまたま一緒になって。

話していた時に。言ってた。

『今日ねー。じぃちゃんのリハビリに病院に付き合ったんだけど』

『胡桃ちゃんより全然若い子がリハビリしてて』

『何気なく見たら。両足がないんだよね』

『リハビリしようと思えるまでの。その子の葛藤とかを思ったら』

『胸が痛くてどうしようもなくなったよ』

『私も胡桃ちゃんも幸せだよね。こうやっていれて』

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手術を終えて。即新しい仕事を始めた戦友の体調が。

急激に悪化した。

メィルを入れても連絡が来ない日が続いて。

嫌な予感がした。

心配になって思わず電話して知ったことだった。

『またあの苦しみを味わうのかと思ったら』

『1人で泣いた』

『またあっちの世界に戻るのは。しんどいよ』

苦しかった。苦しかった。

私も経験したことがある。あの五感全部を失うようなつらさを。

人間じゃなくなるような感覚。

また彼女は経験しなきゃいけないんだろうか。


今の自分。

今でも。自分のダメな身体に対する。

漠然をした不安を抱えていたとしても。

普通に仕事をして。普通に寝て。ご飯を食べて。

恋人がいて。結婚を控えてる。

それがいかに幸せなことか。

日常の些細なことに。不明不満を感じるのは罰当たりだ。

『こっちの世界』に慣れつつあった。最近の我儘な自分を恥じた。



そして怒り。

なんなんだろう。一体なんなんだろう。

もう解放してよ。彼女が一体何したっていうんだよ。

神様。いるんならさ。

もういいかげん彼女を楽にしてよ。

ちきしょう。



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