ア イ デ ン テ ィ テ ィ 。   by胡桃。
2004年02月24日(火)  祈るキモチ。
先週からの私は。なんだか色々あって。

私っていうよりは。私の周りの人たち。色々で。

泣いている人を見ては。私も思わずもらい泣きしそうだった。


戦友の入院が決まった。

戦友と言っても。別に戦争に行った訳ではないけど。

同じような境遇にあった私たちは。その頃。毎日が戦争のようなもので。

今も。そこから付随するであろう後遺症なんかも付き纏うわけである。

2年前に私がした手術を。カノジョもすることになったんだ。


カノジョは言ったんだ。

『前にくぅちゃん(←私)が手術をするっていうハナシを聞いたとき』

『どこか他人事でちゃんとハナシを聞いてなかった気がする』

『ゴメンね。今になって。あの頃のくうちゃんのキモチがよく分かる』


そんなの当たり前だよ。うん当たり前。

聞いてもらってるだけで。どんなに心が軽くなったか。

カノジョが。謝ることじゃあないんだ。

私のほうがカノジョよりそれを少し早くそれを経験しただけのこと。

ただそれだけのこと。


たとえソレが一般的に見ればたいしたことないことでも。

安全な手術と言えるものでも。

手術台に上ることへの怖さ。もし視力を失ったらと考えてしまう不安。

私たちには付き物の更なる後遺症への恐れ。

カノジョの『今』のキモチがどんなだか。痛いほど分かってしまう。


私は話したんだ。


検査がどんなだったか。麻酔がどんなだったか。

痛かったか?不安だったか?

術日には手に『手術をすることを知らせる赤リボンをつけること』

手足を縛られるのには。さすがにビビッタこと。

手術中の強すぎるライトのせいで。手術中に見えた青色だけを。

ひたすら見つめて。手術が終わるのを願ったこと。


そして何より。

眼帯を取ったときのクリアな視界にいかに感動したかってこと。

私の手術は春先だったから。咲く花の色が鮮やかで。

どんなに。どんなに感動したかってこと。


『私の場合。もう本当に視力が限界だったから』

『ある意味やけっぱちになってた部分もあって』

『目の一部なんてくれてやる』

『その代わり。私は幸せをつかんでやるんだって思ったんだ』


そう話したら。


『そのコトバが聞けて本当によかった。入院前に逢えてよかった』

『手術が楽しみになった位』

『手術は。1人で頑張るものだけど。本当はみんながいて。頑張れる』

と。カノジョはとてもキレイに笑ってくれたんだ。


どうか。どうか。私があの時感じた感動を。

カノジョも味わうことができますように。


書いてても思わず。泣けてくる。

何かに対するやりきれない猛烈な怒り。

チキショウ。チキショウ。チキショウ。

なんで?なんで?なんで?


誰かの思いが。その人の生く道に少しでも力を与えることがあるのなら。

私は。なんぼだって祈る。祈る。祈る。祈ってやるんだ。



祈って。祈って。祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って祈って。


日曜には。手術を終えたカノジョの元へ。

花を買ってお見舞いに行こう。


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