2020年07月31日(金) |
虫に触れない男の子達 |
甥っ子から電話があった。 「あのね、ぼく、きょうね、えーとね」 保育園の最上級生になって漸く一人称が自分の名前から「ぼく」に進化したようで、喜ばしい限りである。 「あのね、きょうね、かぶとむしをつかまえたんだよ!」 とは言え、母親である妹の話によると、実際に捕まえたのは甥っ子ではなかったらしい。 まあ、そうだろうな。 蝉にも触れないし、蜻蛉は一昨年、ダンゴ虫は去年になってから、やっと触れるようになったんだもんな。 甲虫の幼虫だって、触るどころか目の前にして「うええぇぇ……」みたいな顔をして、掌に載せるのすら拒んでいたもんな。 今日の午後、父親である義弟と一緒に公園に行ったら、甲虫が木に留まっていたので、虫捕り網で捕まえて貰ったらしい。 ところが、義弟も甲虫に触れないため、甲虫を網に入れたまま自宅に持ち帰って、妹が網から出して虫籠に入れてやったという。 「え、触れないの? じゃあ何のために捕まえたの」 と思わず口にしてしまった。 そりゃ義弟も可愛い息子のために捕まえたんだろうけれど、都会育ちでもないのに甲虫に触れないって、一体どんな少年時代を送ったの……というか、確か義弟って、農家の孫だったような。 後でうちの主人にその話をすると、やっぱり驚いていた。 「えっ触れないの!? じゃあ何のために捕まえたの」 そりゃ同じ事思うよね……。 とは言え、昆虫大好きで、抽斗の中に大事に蟷螂の卵を仕舞っておいてうっかり孵化させちゃうよりはマシなのかな。 と思う事にしよう。
憧れの甲虫(観賞用)を一晩だけ飼う事を許された甥っ子だが、虫籠の中でブーンと羽音がする度に、ビクゥ!とビビっているらしい。 男の子なのに大丈夫なのか、そんな蚤の心臓で……先行きが心配である。
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