私は年の割に白髪が少ない。 しかし全く無いという訳ではないので、鏡の前で見付け次第、自分で根元から切っている。 今日も見付けたので自分で切ろうとしたが、どうも狙いが定まらない。 なので主人に頼んだ。 よく見えないんだよなあ……目が悪いからさぁと言いつつも、最初の数本は上手いこと切ってくれたが、 「あ、なんか黒いのも切れちゃったよ」 ……貴重な黒髪が3本も根元から! 何て事を!
台所で食器を片付けていると、風呂上がりの主人が言って来た。 「いつもごめんね、シオン」 「ん? 私の貴重な黒髪を3本も切った事?」 と訊くと、主人は即座に否定した。 「いや、それは謝らない。僕は最初に『目が悪いからしくじっても知らないよ』と断ったのに、それでも頼んだシオンの責任だから」 なんか、この人のこういう所は物凄く腹立つー!
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