天上天下唯我独尊

2016年06月05日(日) 白票

人も疎らな夕方の商店街を足早に自宅に向かって歩いていたら、突然呼び止められた。
歳の頃は30歳台、髪の毛を茶色に染めた眼光鋭いその女性は、NHKの記者だと名乗って、首から提げた身分証を提示した。
今度行われる、参議院選挙に関する意識調査に協力して欲しいという。というか、私は選挙がある事すら知らなかった。確かニュースで選挙は見送りになったと聞いた気がするが、あれは衆参同時選挙が無くなっただけで、参院選は予定通り行われるという話だったのだと、その人に教えて貰った。
候補者の写真や表を見せながら、次の選挙では誰に投票しますか、どこの党に投票しますか、アベノミクスについてどう思いますか(その言葉はよく耳にするが実態はあるのか、また果たして効果があるのか疑わしいので評価しないと私は回答したが、後で主人に訊いたところ、安部総理の経済政策は国内経済的には正しいが、世界経済との絡みでなかなか上手く機能しないのだという)、消費増税延期についてどう思いますか、など質問された最後に、
「前回はどの党に投票しましたか?」
と訊かれて、記憶を辿ってみた。
「よく覚えていないけれど、もしかすると、幸福実現党に投票したような気が……」
信者だと思われたら嫌だなあと思いつつ、恐る恐る答えると、
「ああ、白票的な意味合いでって事ですね」
と、こちらの意図を汲んでくれた。
察しがいいな。流石NHK!

という話を、帰宅して主人にすると、
「それって、NHKが言っちゃっていいのか? 特定の政党を白票扱いするって、結構な問題発言だろ、公共放送として」
などと言っていたが、私が幸福信者扱いされるよりずっとましだと思うの。
でもなあ、アンケート取るなら、スーパーの出入り口とか、もっと人通りのある所でやった方が効率良いのでは……と思ってしまった。


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