天上天下唯我独尊

2015年04月11日(土) 可哀相な人形

五月人形と鯉幟に関しては、買ってもいいか?という打診は、事前にあったのだ。
しかしその時に妹は「やんわり」断ったらしい。
私の妹なのに、何故か外面だけは良いのだ。
その時も相談されたので、
「要らないんならハッキリそう伝えればいいじゃん。お前が何で困っているのかがさっぱりわからんね」
と言ってやったら、
「そりゃお姉ちゃんの性格ならハッキリ言えるんだろうけれど、嫁の立場としてはホラ……」
と言い澱む妹。
いや、私も一応嫁の立場にあるんですけど。自覚と責任が無いだけで。
ったく面倒くせえ。
「嫁だから何なのさ。黙って言いなりにならなきゃならないって事? だったらそうすればいいんじゃね?」
「えー、でも……ゴニョゴニョ」
「『淵に臨みて魚を羨むは、退いて網を結ぶに如かず』! 角が立たずに済むような、魔法の言葉なんざねえんだよ。理詰めで行きな。何故要らないのか、欲しくないのか、寧ろ迷惑なのか、片っ端から思い付く限りの理由を並べて、プレゼンとやらをして納得して貰うしかないだろ。それでも買いたいって向こうが言って来たら、買うのは自由だが持って来られても迷惑、どうせ孫のために金を遣うんなら現金で渡してくれた方がよっぽど有難い、そんなもん買うのはジジババのオナニーに過ぎない、こっちに押し付けんな!という事をハッキリ告げたまえ」
そう言ってやったんだけどなあ。
私の妹なのに、馬鹿だから出来なかったらしい。
そして現在困っているというね。
本当に馬鹿。馬鹿のスパイラルである。

リサイクル店や不用品バザーを見ると、五月人形が結構並んでいる。
ジジババが可愛い孫に買ったであろう人形が、ご家庭でどれだけ邪魔者扱いされているかがわかろうというものだ。
伝統的な人形というのは、職人さんが手間隙かけて作る工芸品である。
ハンクラーの端くれとして、職人というものを尊敬する者として、職人さんが心を籠めて作っただろう作品が邪険に扱われるのは、とても悲しい事なのだ。


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