夜の10時頃、家の電話が鳴った。 誰だこんな非常識な時間に、と思ったら、霊能力者が「シオン宛だよ」と。 果たしてそれは、妹からの電話であった。 第一声は「夜分ごめんなさい」。うむ、最初にそれを言わないとお姉様に怒られるからな。 何だか興奮している様子だが、何用かと問うと、 「これこれこういう事があって、そんなの嫌だって言って断ったんだけれど、お父さんとお母さんはそれぐらいいいじゃないって言うの。私、間違っていないよね?」 と言う。 間違っていないよ、と言ってやると、 「お姉ちゃんなら解ってくれると思った」 と泣きそうになっている。四面楚歌じゃあな。 「だって当事者はアンタじゃん。お父さんでもお母さんでもない。それを外野が『それぐらいやってあげたら』って無責任だよ。結局嫌な思いをするのは外野じゃなくて当事者なんだから、アンタが相手方と納得行くまで話し合って決めたらいいよ」 と実際はこんな冷静な口調ではなく、怒鳴りつけるように言っていたとは、傍で見ていた主人の弁。 私が妹を叱り付けていると思ったらしい。私は一緒に怒ってやっていたつもりだったのに。 途中で電話を母に代わったので、客観的に見て妹が悪いのなら正すべきだが、見栄や遠慮のために当事者である妹を背後から撃つような真似は止めろと言っておいた。 「お姉ちゃんに訊いて良かった」と妹は言ってくれたが、それはシオンが家族の中で1番常識人なのではなく、1番はっきりと物事を言うからだからね、と何故か釘を刺す主人であった。 うんまあ、世間的に自分は常識人ではなく、寧ろそこから遠くかけ離れているという自覚はあるけれどさ。
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