録画していた、宮部みゆき原作ドラマスペシャル「火車」を観た。 原作は既読。強烈だった。 読み終わった本は、母に寄贈した。母も、とても面白かったと言っていた。 その後、本は妹に渡った筈だが、奴は読んだかどうか。馬車馬につき多忙のため、読書の暇が無いらしい。
1994年にもドラマ化されているそうだが、そちらは観ていないので、映像化された物を観るのは今回が初めてである。 物語の中心の謎の女を演じるは、大根と評判の佐々木希。 「天使の恋」(観ていないし今後も観ないだろう)から成長したのだろうかと、期待と不安の綯い交ぜになった気分で観始めたが、結局彼女の仕事は、写真の中でポーズを決め、最後にワンピースを着て歩いてお茶を飲むだけであった。 これは脚本と演出の勝利か。難しい演技は全て周囲の実力あるベテランに任せ、彼女には一言も喋らせないとは。 なるほど、大根にはこういう使い方があるのかと感心した。
作りも細かくて、服装や髪形も、バブル期ってあんな感じだったなあという気がした。 個人的には「バーモントカレー」ならぬ、「モーメントカレー」がヒットだったけれど。 原作既読とは言え、ずっと前の話なので、細かい所はすっかり頭から抜けていた。 従って、原作との違いがいまいちわからなかったが、ドラマとしては充分楽しめた。 えっそこは法律的にどうなの?と思う所もあったが、当時は今のように個人情報保護法も法テラスも無かったし、どうにもならなかったのかねえ。 やはり借金は怖いわ。ローンも月賦と言う借金だし。 無理に家を建てた親のせいで、子供まで不幸になるという恐ろしい話であった。 人間、身の丈に合わない生活をしたらイカンね。
ところで佐々木希と言えば、地元秋田の教育界ではその名を知らない者はいないというほどの不良だったという。 万引き、恐喝など、あらゆる悪事に手を染めていたと、その筋から聞いた。 最近見なくなって平和になったなあと思ったら、ある日突然TVに出ていたものだから、地元の人間は驚いて引っ繰り返ったとか。 彼女から苛めを受けていた人にしたら、堪ったものではない。TVをつけたら、トラウマの元が笑顔で映っているのだ。 幾ら当時未成年だったとは言え、犯罪紛いの事をやっていた人間をCMに起用する企業もどうかと思う。神経を疑うよ。
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