天上天下唯我独尊

2011年06月22日(水) 記憶の貯金

「世界仰天ニュース」で、障害のある配偶者を持つ女性の話をやっていた。
ご主人は元から障害者だったのではなく、蜘蛛膜下出血の後遺症で高次脳機能障害になってしまったのだ。
脳の障害で忘れんぼさんになったご主人は、勝手に高価な物を衝動買いしてしまったり、困った行動を取るようになる。
……というか、この場合の買い物は取り消せると思うんだけれど。
さっさと禁治産認定して貰おうよ〜とTVの前で突っ込みを入れる私。
そんなご主人に疲れて、奥さんは自殺を考えるようになる。
……奥さんが自殺したら、子供にご主人を丸投げする訳?
それは子供が可哀相だし、無責任だろう。どうせなら道連れにするか、ご主人だけ三途の川を亘って貰う事を考えた方がいいのでは。
そして頼まれてもいないのに、夫を事故に見せかけて殺す方法を考え始める私。
そんな私を置いてけぼりにして、奥さんは実母にお別れの電話をかける。
「もう疲れちゃった。死にたい」
と弱音を吐く奥さんに、実母は、
「勿体無いねえ。死んじゃうなんて、勿体無いよ。方法はある」
と言う。
実母の渾身のアドバイスとは!

・喫茶店にでも行って、のんびりと珈琲を飲む。

ええ〜……そっち?
それは気分転換にはなるけれど、根本的解決には全くなっていないような。
もっとこう、具体的なアドバイスをしてくれるのかと期待していたのに。
まあ、でも鬱々として死んじゃいそうな人には、そういう気分転換が必要なのかしら。
そして当然の事だけれど、殺人教唆的な内容なら、TVで放送したりしないんだろうなあ。
どこまでも黒い想像しか出来ない私であった。

この前の日曜日には、同じように脳の病気で記憶や感情に障害が出たご主人と向き合う奥さんの話もやっていたし、本当に大変だろうに、世話をし続けるのは偉いなあと思った。
発症或いは発病前は、優しくてとても良い夫だったと言う。
優しかった記憶の貯金で、奥さん達は看病し続けるのだろうか。
うちの主人も大概優しいが、彼が病気で性格が変わったら、私は面倒を見続ける事が出来るだろうか。
……正直、自信無いな。
逆に彼は私の面倒を見てくれるんだろうけれど。だって今でさえ面倒見てくれているから。
こうして考えてみて、改めて、自分は人でなしだと思った。


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