天上天下唯我独尊

2011年06月18日(土) 映画「告白」

2010年日本。
昨年、アカデミー外国語映画賞ノミネートなるか!?と騒がれたのは記憶に新しい。
原作は読んでいたので、こういうのは受けないだろうなあと思っていたら、案の定ノミネートされなかった。

「嫌われ松子の一生」でも感じたことだったけれど、私この監督、余り好きじゃない。
テリー・ギリアムの手法を真似ようとして失敗している感じがする。(主人はギリアムの真似事にすらなっていないと言い張るが)
歌や踊りも要らない。この人の手法の一つと言われるけれど、こういう演出はどうにも好きになれないのだ。
なので私としては、普通の手法の映画で観たかった気がする。

主人は原作未読ではあるが(そして多分今後も読まないだろう)宣伝のお蔭で女性教師の復讐物語という予備知識はあったようで、夕食時にこれを観るのを頑なに拒否していた。
曰く、食事は楽しくなきゃ駄目、殺したり殺されたり復讐したりと言う内容のものは、食事時に相応しくないそうで。
そんな事言ったら、私が録り貯めたものの殆どはメシ時に観られなくなってしまうんですが……。
暗にシオンが1人でいる時に観るようにと言われていたのだが、主人のいる休日の夕方からこれを観ていたら、丁度夕食の時間に差し掛かってしまった。
観察していると主人もPCをやりながらちらちらと映画を観ていたようだし、特に文句も言われなかったため、食事時にも続けて上映してみた。
あれだけ嫌だと言っていた割には面白かったらしく、最後まで文句は出なかった。
そして事もあろうに、
「エンディングが生温い」
とまで言い放ったのである。吃驚だ。
「最後の一言は蛇足だ。それに少年Aのような手合いは、決して反省しない。更生なんて望めないのだから、罰として徹底的にやっても良かったと思うよ」
ですってよ。
吃驚したが私も同感であったので、若干興奮気味に
「嬉しいわ。珍しく意見が一致したわね」
と右手を差し出すと、彼は
「ええ〜……シオンと同じなのかあ」
と泣きそうな顔をして握手に応じていた。
ラストは原作の方が良かった。
ネットでは後味が悪いと言う感想が多く見られたが、そういう人は多分、子供の純粋で天使な部分を信じたいのだろう。
でも同時に、子供には悪魔的で残酷な面もあるのだ。
見たくないのは理解出来るが、それに目を瞑っていると、少年Bの母親のようになってしまう危険性が大いにあると私は思う。

でも芦田愛菜ちゃんは可愛かったよ!


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