2011年05月18日(水) |
小説「陰摩羅鬼の瑕」 |
京極堂シリーズを読むのは、実に10年振りか。 あの頃は嵌まって読んでいたけれど、あれだけ夢中になった割には、余り内容を覚えていない。 しかし今更読み直すのもしんどい。 そもそも借りて読んだので、手許に無いし。
で、シリーズ7作目(8作目とは言うが、「塗仏の宴」は、支度と始末合わせて1つと数えて良いだろう)を読んだ。 今回は買った。古本屋で。 1作目からお馴染みのメンバーは判るのだが、ちょい役程度の登場人物は、どちら様でしたっけ状態である。 それでも何とか話には付いて行けた。 しかしこの人の話は、要らない描写が無駄に多い。 もっとシンプルに描けないのかね。 1作目「姑獲鳥の夏」は、普通に書いていたのに、2作目からは、1つの文章が頁を跨がないように文字数を調整しているのだ。 無駄な単語の繰り返しは、そのせいなのだろうが、読み手にとってそんな物はどうでもいい。 この作者、偏執狂の気があるのだろう。憶測だが。 肝心の話は、まあ面白かった。 しかし関口君にはがっかりを通り越して、腹立たしい。 本当に役に立たないな、この人は……。 盲の探偵と合わせたって、1人前にもなりはしないではないか。精々0.8人前である。 尤も、関口や探偵が役に立っていたら、事件が成り立たない訳だが。
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