天上天下唯我独尊

2011年05月11日(水) 掃き溜めの鶴

そろそろ美容院に行こうかなーと思っていたところに震災が起こったのが3月。
地震の影響で停電の間は兎も角、電気が通って暫くしても、ずっと店にはシャッターが下りたままだった。
店舗内の片付けが大変なのだろうか、割といい店だからまたここに頼もうと思っていたが、営業していないのなら仕方ない。
余所の店に行ってみるかと思ったが、近隣の店は示し合わせたように、全て閉まっていた。協定でもあるのか。
昨年この地に引っ越して最初に行った店は、看板が外されていた。
地震で落ちたのかと思っていたが、2週間後、そこには老人介護関係の看板が……単に潰れただけか。
潰れても仕方が無いくらいの店だったからなあ。
老人率が高い田舎なので、デイケアやら補聴器やら、老人関連の店は矢鱈多い。
客の来ない美容院より、老人相手の商売の方が、まだなんぼかましだろう。

開店を待っていた美容院は、さっぱり開店の気配が無く、ある日シャッターに貼り紙を発見した。
読んでみると、それは店舗移転のお知らせであった。
折角徒歩圏内に良さそうなお店があると思ったのに、移転とな!
「どこそこ跡地に移ります」と書いてあったが、その「どこそこ」が余所者の私には判らない。
仕方が無いのでネットで調べてみた。
こんな田舎の情報なのに、ちゃんとあった。ネット凄い。そして怖い。
どこそことは、以前に潰れたお店らしい。
幸い、そこも徒歩圏内であった。これなら今後も通える。
更に探してみたら、お店のスタッフによる情報サイトもあった。
5月から新店舗で営業開始とあるので、営業開始日に早速電話して、予約を入れた。

朝9時半かー早いなと思って行ってみたら、既に客が何人もいて驚いた。
震災前には殆ど貸切だったのに。
美容師と客の会話に耳を傾けてみると、殆どが震災関連だった。
私は古参客ではないし、散髪の間も雑誌や本を読んでいるので会話する事も無いのだが、流石に「地震どうでしたか」と訊かれ、少し会話を交わした。
その中で、前の店は店舗内は大体無事だったが、テナントで入っていた建物がもう駄目で、建て直すのだそうで。
そら出て行かざるを得ないか……新店舗も美容院として使えるように内装しなきゃならないしで、引越しも大変だったようだ。
それで2箇月近くかかった訳か。
しかもその間、出費はあるのに収入が無いのだ。
商売するって大変だなあと、改めて思った。

で、今回、数年振りに髪の毛を染めて貰った。
以前染めて貰ったお店では、染め上がり待ちの間に頭皮がヒリヒリして禿げるんじゃないかとビクビクし、もう毛染めなんてするもんかと思ったものだが、今回はちっともそんな事無かった。
髪の色も明る過ぎないし、パーマと散髪もして貰って、仕上がりはとても気に入った。
担当してくれた若手美人女優似の美容師さんにお礼を言って、気持ちよくお金を払って来た。
引越し前に数年間住んだ土地ではいい美容師さんに会えず、里帰りの度に地元のカリスマの所に通っていたけれど、ちっとも期待していなかったこんな田舎にカリスマがいたとは。
今度は夏に来ようっと♪


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