天上天下唯我独尊

2011年05月09日(月) 幸せな人

遅くに帰宅した主人が、飲み会での様子を話してくれた。
主人は実際の年齢よりも若く見られる事が多く、今日も
「あれ、春さんってK木さんより年上なの?」
と言われたそうだ。
主人の後輩であるK木は、それを聞いて憤慨したという。
「いやいやいや、僕いつも春さんに敬語遣っているじゃないですか! 同い年だったら敬語遣いませんって」
「ハハハ、そう言えばそうか」

そんなK木氏は、愛妻家である。
K木の娘は、主人曰く「両親のいいとこ取り」でなかなか可愛いのだそうだ。
(因みに息子は父親似でアホ顔。逆じゃなくて良かったと他人事ながら思う)
お嬢さん可愛いんだって?と同僚に言われたK木、、
「そうなんですよ。あいつは母親に似まして」
と言ってのけたそうで、横でそれを聞いていた主人は、お茶を噴き出しそうになったという。
「あいつは凄いよ、何たって自分の奥さんが1番だと思っているからな。何かと言うと、二言目には『でもうちの奥さんが1番美人ですけれどね』って言うんだぜ。客観的にちっともそんな事無いのに」
と主人が呆れ果てているので、
「それは、見た目じゃなくて性格が美人だと言う事なんじゃ」
とフォローを入れてみたが、主人はブンブンと首を横に振った。
「全然。あいつの奥さんの事も知っているけれど、性格的にもどうなのよそれはって感じなんだよ。なのに奥さんに首っ丈なんだ」
「あ、そう……」
でも、それはそれで素晴らしい事だと思う。自分で選んだ奥さんを貶すより、よっぽどいいよ。
客観的に微妙な奥さんでも、亭主本人がそこまで気に入っているのなら、本人達は幸せなのではないだろうか。

「ところで、K木は兎も角、貴方はどうなの? 奥さんが1番美人だと思ってる?」
と奥さんとして気になるところを付いてみた。
「うちの奥さんは1番ですよ」
「1番『美人』かどうかを問うているのだが」
「充分可愛いからいいの、見た目じゃないの。うちの奥さんは唯一無二の存在ですから」
とヨシヨシしてくれたけれど、何だかお茶を濁された気分だ。


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