新しい趣味を始めた。 いや、今までと全く違う事を始めた訳ではないので、趣味の範囲を少し広げたと言った方が良いのか。 何れにせよ、酷く肩が凝る。 でもこういうの、大好きなんだよなー。そういう性分なのか。
先日、ずっと使っていた小鉢を割ってしまった。 因みに地震とは無関係で、単に私の不注意によるものである。 数年前に百円ショップで購入した安物なのでショックは無かったが、やはり無いと不便だ。 そこで同じ物を買いに百円ショップに行ってみたのだが、同じシリーズの茶碗や皿はあっても、小鉢だけ入荷していない……! 何分据わりが不安定な形状なもので、2度の大地震で棚から落下して壊れた後、震災による物流か製造の関係で入荷していないのだろうと思われる。 次の入荷はいつになりますか?と店員に訊いたところで、はっきりした答えは得られないだろうし、得られたとしても現在の生活が不便な事に変わりは無い。 気長に待つか〜と帰ろうとしたところ、ふと、ある物が目に付いた。 税抜き百円のビーズである。 その隣りには、レース糸とレース針とビーズ通し針まで置いてあるではないか。 当初の目的とは全く違う物を買って帰る事になった。
そんな訳で、ちまちまと趣味の手仕事をしている次第である。 目は疲れるし肩が凝る割りに、満足の行く仕上がりになるとは限らない。 気に入らなければ解いて編み直す(初心者なので大抵上手くいかない)ので、白かった糸が何だか黄ばんで見えるのは気のせいか。 でも楽しい。 うちの主人は、私が見て見てー♪と言って作品を見せると、上手に出来たねとかイマイチだねとか感想を言ってくれるのだが、私と同じ趣味の幼馴染の場合、ご主人に見て見てー♪とやると、 「……ヒマだね」 と言われるらしい。ひ、酷い……。 うちの主人にその話をすると、 「そういう発想はなかったなあ」 と驚いていた。 嗚呼うちの主人は私の趣味に理解があって良かったと私が心の中で感謝していると、 「でも」 と主人が言う。 「それって、シオンがでっかい角栓を取ろうと鏡の前で格闘しているのを見ている僕の気分と同じなのかも知れないな。うん」 ……いやいや、角栓と同列に語られても。 つまり人によっては、手芸なんて無駄としか思えないという事か。
|