半月も経ってから知った事実。 知り合いが行方不明らしい。
住所を地図で調べたところ、位置的にお家は流されただろうが、本人は避難して無事だろう、今は大変だからもう暫くして落ち着いてから携帯に電話でもしようと思っていたのに、まさか行方不明とは。 元々沿岸の人ではないから、津波の怖さを知らなかったのだろう。 ご主人は職場にいて無事だったが、今は仕事を離れられず、奥さんを探しに行くのも儘ならないらしい。 ご主人の事が大好きで、単身赴任にさせずに転勤先に一緒に付いて行って、そこで被害に遭ったのだ。
それを知った日は、流石の私も良く眠れなかった。 仲良くさせて貰っていた人が、こんな形で急にいなくなってしまうなんて。 あの時ああしておけばこうしておけば、という後悔の念が湧き起こる。 我が家も転勤族で、主人は昨年、被災地への転勤を希望していたのに刎ね付けられた。 今頃津波に飲まれていたかも知れないのに、私は難を逃れた。 なんであの人が消えて、私は残っているのだろう。 でもこれ以上考えると、生き残り症候群になりそうなので、やめよう。 運命だったのだ。そう思う事にする。 私は今、生きている。だから日常を生きるのだ。
知り合いには生きていて欲しいが、現実的に無理だろう。 早く見付かって家族の許に帰れる事を願う。
|