天上天下唯我独尊

2010年10月12日(火) 抜け忍

私は人を殺した。

追っ手が迫る中、私はとある屋敷の庇の陰に隠れていた。
普通に軒下に佇んでいたのでは見付かってしまうので、文字通り外壁に貼り付き、姿を隠していた。
それでも人に見付かってしまった。
知らない男だ。百姓の格好をしている。
私は壁に立て掛けてあった竹を手にした。少し細いが程よく撓り、先が斜めに切れているので丁度いい。
竹槍を目の前に突き付けると、男は慌てて逃げようとした。
追っ手ではなく、ただの百姓なのか。
しかし顔を見られた。
追っ手に問われれば、私の事を話してしまうかも知れない。
私は迷わず、口を封じる事にした。
逃げる男の背中を、竹槍で一息に貫いた。

敷地内で顔を見られた者は、男も女も殺した。
その数、片手では足りぬ。
逃げなれば。早くこの場を離れて、足跡を消さなければ。
小雨が降っている。
私は門に引っ掛けてあった傘と蓑を身に着けた。
片手には杖代わりの竹槍を持ち、心の臓を守るための瓦を1枚懐に入れて。
やはり瓦では重過ぎる。
どこかで鎖帷子を調達しなければ……。
早足で歩きながら、そんな事を考えた。


なんつー夢だ……。
こんなに寝覚めの悪い夢は久し振りだ(苦笑)。
起きてからも、槍で人間を貫く感触が手に残っているし!
自分が怖いよー!
夢の話を正直に主人に話したら、
「それはシオンの願望なんじゃないか」
と言われた。
そして完全否定も出来ない私(何
でも多分違うと思うの!
願望じゃなくて、わうわうで映画「カムイ外伝」の予告を見たからだと思うの!
きっと私は抜け忍で、追い忍に追われていたのだと思えば辻褄が合うと思うのー!


 < 過去  INDEX  未来 >


春 紫苑 [MAIL]

My追加