天上天下唯我独尊

2010年06月16日(水) ウンコフィエフ

わうわうで、アメリカの番組「プロジェクト・ランウェイ」というのをやっていた。
主人と私が見たのは、第5シーズン。
デザイナー達の勝ち抜き、というか、篩い落とし番組で、最後に残った者が優勝という仕組みになっている。
1度も最優秀を獲得出来なかったデザイナー(の卵?)がいて、彼がプロのデザイナーに酷評される場面があった。
「これは酷い。まるで布のウンコだ!」
それは確かにそんな感じで、色とりどりの布をごちゃっと縫い付けた、素人目にも一寸どうなのこれは……という作品であった。
彼はその回で姿を消したが、寧ろそこまで残ったのが凄いと思ってみていた。
噛ませ犬だったのだろうな。

ところで、先日聴いたツィマーマンのショパンが余りに感動的だったので、折角電子ピアノを居間の隣りに移動させた事だし、自分でも楽譜をさらってみた。
勿論、目で音符を追ってゆっくり弾くだけで精一杯である。
嗚呼でも舟歌はいいねえ、この曲が弾けたらなあ……と思いつつさらっていると、主人が帰宅した。
「あっシオンがピアノ弾いてる〜。そうだ、これ弾いてみてよ!」
と彼が本棚から持って来た楽譜は、

プロコフィエフ作曲ピアノソナタ第9番Op.103

……プロコかよう。
聴いた事すらないんですけれど。(あったとしても覚えていない。興味無いんだもん)
楽譜を捲ってみると、音符がスカスカで一見簡単そうだが、実際弾いてみると、全く予想外の所に音が飛ぶので難しい。
次の音の予測がつかず、自分が押さえている鍵盤が果たして正しいのか、耳だけではまるで判断がつかない。
1頁目で匙を投げた。
「なんじゃこりゃ! 弾いていてちっとも楽しくないよ。
まるで音のウンコだ!」
私がそう言って楽譜を突き返すと、彼はショックを受けた顔で、
「ウンコだなんて、酷い。綺麗な曲なのに……」
としょげていた。
ごめん、貴方の大好きなプロコの事をそんな風に言っちゃって。
でも私には現代曲なんて、どれもこれもウンコにしか思えん。


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