わうわうで、アメリカの番組「プロジェクト・ランウェイ」というのをやっていた。 主人と私が見たのは、第5シーズン。 デザイナー達の勝ち抜き、というか、篩い落とし番組で、最後に残った者が優勝という仕組みになっている。 1度も最優秀を獲得出来なかったデザイナー(の卵?)がいて、彼がプロのデザイナーに酷評される場面があった。 「これは酷い。まるで布のウンコだ!」 それは確かにそんな感じで、色とりどりの布をごちゃっと縫い付けた、素人目にも一寸どうなのこれは……という作品であった。 彼はその回で姿を消したが、寧ろそこまで残ったのが凄いと思ってみていた。 噛ませ犬だったのだろうな。
ところで、先日聴いたツィマーマンのショパンが余りに感動的だったので、折角電子ピアノを居間の隣りに移動させた事だし、自分でも楽譜をさらってみた。 勿論、目で音符を追ってゆっくり弾くだけで精一杯である。 嗚呼でも舟歌はいいねえ、この曲が弾けたらなあ……と思いつつさらっていると、主人が帰宅した。 「あっシオンがピアノ弾いてる〜。そうだ、これ弾いてみてよ!」 と彼が本棚から持って来た楽譜は、
プロコフィエフ作曲ピアノソナタ第9番Op.103
……プロコかよう。 聴いた事すらないんですけれど。(あったとしても覚えていない。興味無いんだもん) 楽譜を捲ってみると、音符がスカスカで一見簡単そうだが、実際弾いてみると、全く予想外の所に音が飛ぶので難しい。 次の音の予測がつかず、自分が押さえている鍵盤が果たして正しいのか、耳だけではまるで判断がつかない。 1頁目で匙を投げた。 「なんじゃこりゃ! 弾いていてちっとも楽しくないよ。 まるで音のウンコだ!」 私がそう言って楽譜を突き返すと、彼はショックを受けた顔で、 「ウンコだなんて、酷い。綺麗な曲なのに……」 としょげていた。 ごめん、貴方の大好きなプロコの事をそんな風に言っちゃって。 でも私には現代曲なんて、どれもこれもウンコにしか思えん。
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