最近、物への執着を断ち、捨ててスッキリする事が、一部の人達の間で持て囃されているらしい。 要らない物を片付けるのはいい事だと思うが、何でもかんでも捨てちゃって、後で困らないのだろうか。
昨日、手芸用品を捨ててスッキリした!というブログを見てしまった。 何故か読んだこちらがズッシリ重くなった。 欲しくて買った筈の物なのに、要らなくなったら捨てちゃうの? まだ使える物をそのまま捨てるなんて、勿体無い。 物って、ただじゃないんだよ。 それが出来るまでの間に、色んな人の手を通っているんだよ。 幼い頃から貧乏家庭で、物を大切にしなさいと言われ続けて育った私には、その神経が理解出来ない。 しかも、その人が捨てたというのは、そこそこ価値のある物ばかり。 それが無駄に捨てられたかと思うと、心が痛くなる。 捨てるぐらいなら、私が買い取りたかったよ。
考えてみた。 私は、好きに物を買えるその人が羨ましいのか? 多分、私が宝籤長者(成金とも言う)で左団扇だったとしても、その行為には気持ちが沈んだだろう。 つまり私は、生まれながらの貧乏性という訳か……一寸悲しくなった。
まあ、面識も無い他人の話だから、私には関係無いのだけれど。 その人が、断捨離する事で心が軽くなったというのなら、それで良かったのだろう。 一方シーソーのように私の心は重くなり、そう思えるようになるまで数日を要した訳だが。 それでも、形にならずにごみに埋もれてしまった物達の事を思うと、私の心は痛むのだ。 棘はまだ抜けていないらしい。
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