天上天下唯我独尊

2010年06月15日(火) 断捨離

最近、物への執着を断ち、捨ててスッキリする事が、一部の人達の間で持て囃されているらしい。
要らない物を片付けるのはいい事だと思うが、何でもかんでも捨てちゃって、後で困らないのだろうか。

昨日、手芸用品を捨ててスッキリした!というブログを見てしまった。
何故か読んだこちらがズッシリ重くなった。
欲しくて買った筈の物なのに、要らなくなったら捨てちゃうの?
まだ使える物をそのまま捨てるなんて、勿体無い。
物って、ただじゃないんだよ。
それが出来るまでの間に、色んな人の手を通っているんだよ。
幼い頃から貧乏家庭で、物を大切にしなさいと言われ続けて育った私には、その神経が理解出来ない。
しかも、その人が捨てたというのは、そこそこ価値のある物ばかり。
それが無駄に捨てられたかと思うと、心が痛くなる。
捨てるぐらいなら、私が買い取りたかったよ。

考えてみた。
私は、好きに物を買えるその人が羨ましいのか?
多分、私が宝籤長者(成金とも言う)で左団扇だったとしても、その行為には気持ちが沈んだだろう。
つまり私は、生まれながらの貧乏性という訳か……一寸悲しくなった。

まあ、面識も無い他人の話だから、私には関係無いのだけれど。
その人が、断捨離する事で心が軽くなったというのなら、それで良かったのだろう。
一方シーソーのように私の心は重くなり、そう思えるようになるまで数日を要した訳だが。
それでも、形にならずにごみに埋もれてしまった物達の事を思うと、私の心は痛むのだ。
棘はまだ抜けていないらしい。


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