主人の用事に付き合って、3月まで住んでいた都市に行って来た。 昼前に出掛けて、途中で昼食を摂って、運転は主人に任せて目的地までずっと寝ていた私。 おかしいな、朝は10時まで寝ていた筈なのに、まだ眠いなんて。
用事を済ませて、帰る前に、よく行っていたスーパーに立ち寄った。 商品券が期限切れ寸前だったので、使いたかったのだ。たった100円分だけれど! ここは飲み物が安いので、それだけ買って帰ろうと思っていたのに、案の定うろうろとあちこち見回る主人。 そして氷菓子売り場の前で立ち止まる。 「アイス食べたいなー」 「でもおうちに着くまでに融けちゃうよ。アイスはまた今度ね」 さっさと帰るぞオーラを出すものの、ごねる主人。 「車の中で食べるからいいの」 「……わかった、じゃあ小さいの1つだけね」 などとやり取りしていると、少し先の乳製品売り場の商品が眼に入った。 「あ、見て。ほら」 私は指差して、主人の注意を促した。 「何?」 「あの容器、貴方が欲しがっていたヨーグルトじゃない?」 それは、昨年の忘年会だか今年の送別会だかの会場で、初めて食べて大層美味しかったと主人が絶賛したヨーグルトであった。 早速そちらの売り場に飛んで確認する主人。 「ね、そうだよね?」 と声を掛けると、じとーっとした目でこちらを見て、明らかに拗ねていた……。 「どうして、僕が引っ越しちゃってから商品入れるんだよ……タイミング悪過ぎだろ」 「さあねえ。意地悪されてるんじゃないのー?」 その後、主人がどうしてもと言うので、ヨーグルトも買ったのだった。
帰宅していそいそとヨーグルトを冷蔵庫に入れる主人。 「シオン、また来月病院に行くんだよね? 帰りにこれも買って来てくれるといいなあ♪」 あーハイハイ、買って来てあげますよ。 でもさ、地元のスーパーに一言要望入れてみるのもいいかと思うよ。一縷の望みを掛けてさ。
|