天上天下唯我独尊

2010年06月07日(月) ヒトデなし

妹の職場に泥棒が入ったらしい。

その時妹は残業中だったが、いつもいる筈のその部屋にはおらず、別の部屋にいたらしい。
その話を聞いて、私が言った台詞は次の通りだった。
「どうしてそこにいなかったの。アンタがいれば抑止力になって、何も盗られずに済んだかも知れないのに。あわよくば、泥棒を捕まえる事だって出来たかも知れないじゃん!」
それを聞いて、ごにょごにょ言う妹。
「えっ……でも職場の人達は皆、『泥棒と鉢合わせしなくて良かったね。襲われて怪我でもしてたら大変だったよ』って言ってくれたよ」
ハッ。
そうか、普通はそっちを心配するのか。
「良かったね、皆優しくて」
「ウン」

主人に訊いてみた。
「斯々然々で、私って、もしかして人でなし?」
「まあそうかな。でもその話はあまり外でしない方がいいよ。普通の人はドン引きするだろうから」
そうか、世間ではドン引きされるほどの事なのか。
主人がむっつり押し黙ってしまったので、また訊いてみた。
「ね、怒ったの?」
「ううん」
「もしかして、今ので私の事嫌いになった?」
「ううん、シオンがそういう人だって事は、もう判っているから大丈夫」
そうか、ならいいや。
じゃあ私の事は人でなしって呼んでもいいよ。略してヒトデで。


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