天上天下唯我独尊

2010年06月04日(金) ツアコン

妹から電話があった。
7月の連休辺りで休みを取れるから、皆で温泉に行きたいんだと。
去年は両親と3人で行ったらしい。
「どうして私を仲間外れにしたのよ!」
と私が怒ったら、妹は
「だってお姉ちゃん、クソ暑いのに温泉なんて嫌だって言ってたから……」
とボソボソ返答した。
ああもう記憶が薄いが、そう言えばそんな事言ったかも。
「じゃあ今年はお姉ちゃんも行こうよ! お金は私が出すから」
とお大尽発言キター。
一応姉として遠慮発言をすると、
「いいよ、去年のお父さんお母さんの旅費も私が出したんだ。だって夏だし、私の誕生日だし、一緒にお祝いして欲しいし」
「一寸待て。そんな自分の誕生日パーティーを自分でお金を出して祝って貰うような真似って、何だか虚しくないか」
「う……でもいいの! 私が行きたいからいいの!」
そうか、そこまで言うならお姉ちゃんは止めはしないぞ。
「で、お姉ちゃん、お宿の予約してえ〜」
とくねくねした声を出すので、自分でやれと言ったら、
「だってえ、忙しいんだもん……それに、お姉ちゃん、こういうの上手でしょ。お願い〜☆」
お前はそういうお願いが上手だよな……まあ旅費がそっち持ちなら、手配ぐらいはやってやってもいいか。
という訳で、連休は温泉に決定。

主人を置いて行くのも気が引けたので、一応予定を訊いてみた。
「という訳で温泉に行くんだけれど、貴方も一緒に如何?」
「その辺りだと、直前にならないと予定がわからないなー。僕はいいよ。お父さん達と楽しんでおいで」
来年からはまた「連休? それって美味しいの?」な生活に戻るだろうから、今年は2人でカレンダー通りの休みを満喫しようと思っていたのに……ごめんね。
しかし主人の許可は下りたので、早速ネットでリサーチ。
実家と我が家の立地を考慮して、ルートを組み立て、良さそうなお宿をチェック。
私よりは温泉に詳しい主人にも意見を聞いてみたが、彼の好みはうちの実家とは合わないと判ったため、結局キキナガスクジラ。
だってー、主人は大きい旅館やホテルが苦手で、鄙びたを通り越して萎びた温泉宿が好きなのだが、私と実家メンバーは設備が整ってサービスも行き届いた綺麗な所が好きなのよ。
昔、主人の一押し旅館に連れて行って貰って、酷い目に遭った事があったな。
彼は味があっていいと言うが、どう見ても薄汚れた旅館で、何と言っても硫黄の匂いが凄かった。
私は茹で卵の匂いだけでお腹一杯になってしまい、折角の夕食も碌に食べられず、お腹が痛くて横になっていたっけ……。
そんな私を見て主人はしょげ返り、
「ごめんね、こんな所に連れて来て。シオンは駄目なんだね、僕はこういう所、好きなんだけれど……もうここには来られないんだろうなあ」
と、本人はそういうつもりではないのかも知れないが、結局私が悪いのか?と思わせるような言い方をするのがムカつく。と今思い出して書いていたら気が付いた。

まあ今回は主人抜きで、好みの合う実家メンバーで行くからいいか。
2箇所で泊まる事にしたので、それぞれ2つずつ候補の宿を挙げ、どちらがいいか実家に訊いてみたら、父がある旅館について「この宿は良かったぞ」と言うので、1泊はそこに決定。
何だか高級そうなお宿なんだけれど、お父さん行った事あるんだ、すげー!と妹と吃驚した。流石、いい所行ってんな……。
お値段だけでなく、評判も良いので、今度貴方も行こうね、と主人に言うと、
「立派過ぎるなあ……僕は鄙びた温泉宿の方がいいなあ」
あーハイハイ。
貴方は通を気取って喘息の出そうな安宿にでも行くといいよ。但しおひとりでどうぞ。


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