天上天下唯我独尊

2010年05月23日(日) 悪夢封じ

前述の、スーパーで見掛けた客の嫌な素行に関して、主人に愚痴を言ったその夜の事。
多分関連があるのだろう、嫌な夢を見た。
嫌というか、恐怖だった。

私はスーパーの雑誌コーナーで立ち読みをしていた。
対面時の雑誌立てなので、雑誌立てを挟んで向かいにも人がいる。
あれは明らかに普通の人とは違うなあ、若い女の子なのにと思って雑誌に目を落としたその時、ふっと向かいにいた筈の少女が消えた。
あれ?と思って顔を上げると、その少女は、私の左真横にいた。
一瞬で高速移動したのか!
驚いた私は、思わず右に跳び退った。
彼女の手には、チェーンソーが握られていた。
白い刃は回転はしていなかったが、私をびびらせるには充分だ。
そこでナレーションとともに映像が流れた。
床に夥しい量の血が、チェーンソーで半分に切断された人間の体から流れ出ており、被害に遭ったのは太った中年女性で、その場に居合わせただけの客であったという。
女性は一命は取り留めたものの、現在も半身不随、加害少女は刑法39条により無罪放免になったという話だった。
何でそんな危険人物が野放しにされてるのさ!
少女はチェーンソーを持って私を追いかけて来る。
こっち来んな!

という、実に疲れる夢であった。
腰の上で体を切断されたのに死なないというのも不思議だが、まあ夢だから。
こんな話をすると障害者団体から猛抗議されそうだが、所詮夢の話だし、所詮は夢でも私は怖かったので仕方ない。第一、見たくて見た訳じゃなし、私に責任は無かろう。
目覚めた序でにトイレに行って、からからに渇いた口を水で潤して寝床に戻ってからも、怖さは完全には消えなかった。
このまま眠って、悪夢の続きを見たらどうしよう。
そんな事を思っていたら、また怖くなって来たので、主人に抱き着いた。
「ねえねえ、怖い夢見たの」
主人はよしよしと頭を撫でてくれて、指でくるくると私のおでこを撫でた。
くるくる……ん?
「なんて書いたの?『んち』しか判らなかったんだけれど」
「うんち」
うんち!? なんでうんち?
返事は無かったが、うひゃひゃと笑ってしまった。

翌朝、主人に訊いてみた。
「ね、昨夜、わたしのおでこに『うんこ』って書いたの、覚えてる?」
「違う。『うんこ』じゃなくて『うんち』」
覚えているという事は、寝惚けていたんじゃないのか。
「何故うんちなのっ」
「シオンがうんちなら、臭いから怖い夢も寄って来ないよ、って」
あれは、『私=うんち』という意味だったのか……。
微妙な気分になったが、確かにあの後怖い夢は見なかったな。
もしかしてそのマジナイ、効いたのか!?


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