焼売を食べたくなった。 冷凍食品のは食べた事があるけれど、自分で作った事が無い。 専業主婦歴10年近いのに、である。
ネットで材料を調べて、買い物に出掛けた。 まあ大体こんなもん?と混ぜていると、主人が帰宅した。 帰って来るの早いよーと思ったが、私が準備に手間取っただけのようだ。 今日は何?と訊かれたので、焼売と答えると、 「凄ーい、シオン、焼売作れるんだ!」 「いや、作った事無いよ……初挑戦です」 「じゃあ大丈夫だな、期待してるよ。
シオンが初めて作った料理って、大抵美味しいから」
……ビギナーズ・ラックってやつですね。
何すればいい?と主人が手伝いを申し出てくれた。 焼売の皮が足りない予感がするから買って来て、と頼んだが、行きたくなさそうな様子だったので、余った具に関しては後で考える事にした。 買い物の代わりに、時間短縮のために包むのを手伝って貰ったが、主人の方が上手に包んでいて、何だか敗北感。 もっと背高に包むといいとアドバイスを受けるも、いいんだよ!腹に入っちまえば同じだよ!と撥ね付ける私。 しかし蒸し器に並べる時に、やはり背高の方がスペースを無駄に取らないから良いという事が判明、余計に敗北感が増した。
蒸し終わって取り出す時に、真ん中からぶっちぎってしまい、皮がくっ付いていたからだと弁明したのに、 「どうしてシオンは真ん中に突き刺すかなあ……ちゃんと一つ一つ持って取り出さないと駄目だよ?」 と、頭の弱い子扱いされたのには憤慨した。 形は兎も角、味は悪くなかったと思う。 生姜が多くて、一寸大人向けではあったけれど。 黴かけていたから、残りを全部投入してしまったのだよね……。
美味しかったから、また作ってね、と主人に言われた。 次に私の気が向くのは、いつだろうなあ。
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