ドラマなら、推理ものや犯罪ものが断然好きだ。 最近はワウワウで、「クリミナル・マインド」だの「コールド・ケース」だのを観ていたせいか、今朝は酷い夢を見た。 連続殺人犯に追いかけられ、間近まで追い詰められた。 怖かった。目が逝っちゃっているのだ。 あれを見たらもう、「キチガイは差別用語だから遣っちゃ駄目!」なんて綺麗事は言っていられない。 キチガイはキチガイだよ。 実際、気がちがっているんだもん。しょうがないじゃん。 目が覚めて、夢で良かったと思った。 幸い、ちびってもいなかったし。
主人の発音は、不明瞭だ。 今日も何かボソボソ言っていたので、 「○○って言ったの?」 と聞き返した。 「違う。××って言ったの。全く……シオンてばキチガイ」 ハァ? 「奥さんの事を、幾ら何でもキチガイ呼ばわりは酷いんじゃないの?」 と私が抗議すると、彼は抗弁した。 「キチガイなんて言っていない。き・き・ち・が・い、って言ったの!」
× きちがい ○ききちがい
「キチガイって聞こえた! 貴方の発音が悪い!」 「いいや、シオンの耳が悪い!」 と言い合ううちに、聞き違いの前に何の話をしていたのか、すっかり忘れてしまった。 「こうして、僕が悪かったという記憶ばかりが、シオンの中に蓄積されて行くんだなあ……」 と主人はぼやくが、それなら始めからはっきり発音してくれればいいのに、と私は思うぞ。
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