2009年06月18日(木) |
ドラマ「夜光の階段」 |
松本清張作品が好きなので、このドラマは録画して、欠かさず観ていた。 原作は未読なので、どの程度違う結末なのかは知らないが、確かに意外な結末だった。 でも、これはこれで悪くない。 「海容」もそうだったが、最近は、子供が悪い事をしても 「ママはあなたを愛しているのよ!」 みたいな親ばっかりで、うんざりしていたのだ。 親が子供を守るのは普通の事だし本能なのだろうが、子供が被害者なら兎も角、加害者なのに守るという、方向違いの親がどうにも多いように感じる。 その根底にあるのは、「この子さえ幸せならば」という、親なら誰でも持っているであろう思いだ。 子供に対する親の愛は、無条件だ。 「この子の幸せのためなら何でもする」という自己犠牲はありだとしても、赤の他人に犠牲を強いる親が、困った事に今は少なくない。 そしてそういう親に育てられた子供は、「自分さえ良ければ」という自己中心的な人間に育つのだ。 このドラマで主人公の親は、最後に子供に 「悪い事をしたら、ちゃんと罪を償いなさい」 と伝える。 直接的ではなく他人を通してだったが、親が子に自首と謝罪を促すと言う展開が、新鮮に見えた。 幼い子供を残して蒸発するとか、それは大きなマイナス・ポイントだが、子供の犯した罪に対する親の姿勢は「海容」とは対照的で、こちらの方が評価出来ると私は思ったのだった。 そりゃ、成人と未成年との違いはあるが、「悪い事をしたら謝りなさい」「きちんと罪を償いなさい」というのは、教育の基本であろう。
ただ主人公が、私にとっては、余り魅力的ではなかったのが残念だった。 以前は格好いいと思っていたのよ、藤木直人。 でも、ある瞬間から「この人、野口五郎に似ている?」と気付いて以来、野口五郎にしか見えなくなってしまった。 五郎は悪くないのよ、ただ、昭和の美男子なのだ、タイプとして。 劇中では素足に革靴だし。石田純一かよ! そこを狙っての演出なのだろうが、余計に昭和臭が増してしまった。 しかも今回のドラマでは、ご丁寧に、主題歌まで歌っている。しかも下手。更にマイナス・ポイント追加。 ごめんね藤木君。
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