2009年04月26日(日) |
グレート・バリアフリー |
今年も我が家に黄金週間など無い。 主人は殆ど毎日仕事だ。 政府は二酸化炭素排出量がどうのと言いながら、ETC搭載車の高速料金千円を打ち出した。何と言う矛盾。 そして、それに群がる馬鹿な国民。 こういう馬鹿共が、利己的な政治家を当選させるのだろう。 現在の選挙制度は、百害あって一利なし。 馬鹿共からは選挙権を剥奪せよ!
という訳で、私は今年もTVのニュースで渋滞の様子を見て、それを鼻で笑いながら過ごしている。 どこにも行けない僻みが多少入っているのは認めるが、どっちにしろ、うちの車にはETCを付けていないし、暫くは付けるつもりも無い。 ただ、目先の安さに飛び付いて、将来の事を考えない馬鹿がこんなにも世の中に溢れている事に、びっくり&がっかりだ。 景気よりも環境問題の方が大事だと思うんだけれどなあ。
遠出は無理だが、主人の仕事が午後から休みだったので、お昼を食べに行った。 百貨店のレストランで食事→そのままウィンドウ・ショッピングあわよくば何か買って貰える事を目論んでいたのだが、午後2時なのに満席。しかも順番待ちが長蛇の列。 じゃあ、近くのホテルのレストランにしよう!と行ってみたら、丁度2時を回ったところで、「準備中」の札がかかっていた。 「次に外したら、3回目だよ」 と、何故か主人に脅される。 「じゃ、じゃあもう少し歩いたところのレストラン!」 ここもお休みだったらどうしよう……と思ったが幸い開店中で、混んでもおらず、寧ろ空いていた。 注文を待っている間、隣りの席の客が立ち上がり、一歩踏み出して小さく声を上げていた。 席に通される時は気付かなかったが、テーブルが通路よりも1段高くなっている。隣の客は、足許を確認せずに踏み出して吃驚したのだ。 「見た? 今の」 こっそり主人に囁くと、彼はメニューから目を離さずに答えた。 「うん。シオンだったら、大声を上げて引っ繰り返って、『訴えてやる!謝罪と賠償を』って大騒ぎするだろうな」 そんな事しないよ!
美味しい料理とデザートで満腹になったので、さて出ようかと請求書を持って立ち上がり、レジに向かおうとしたところで、不意を突かれた。 そう、さっき隣りの客が引っ掛かった段差の事を、食事をしている間にすっかり忘れてしまっていたのである。 しかも、主人に話しかけている途中だったので、何やら大声を上げてしまったようで、店内の注目を思い切り浴びている……。 近くにいたウェイトレスさんが、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたが、誰よりもフォローして欲しい存在である筈の主人は、呆れたように私を見ているだけだ。 またかよ……という彼の心の声が聞こえた気がした。 私には前科がある。結婚式の打ち合わせをしたホテルのロビーでも、段差に躓いて、ふぎゃあとか何とか叫んで周囲の注目を集めた。 暫く後にそのホテルに行くと、その段差にはスロープが取り付けられていた。 私は私以外にも躓く者が続出したから改善されたのだと推理しているが、主人は私があれだけ騒いだせいだと主張する。 本当のところは判らない。ホテルの人には、恥ずかしくて訊けないからだ。 俯きつつ、支払いを済ませてレストランを出ると、主人が言った。 「あの店、今日が初めてじゃないんでしょ? なのにどうして?」 「そうだよ、あのお店に行ったのは、今日で3回か4回目だよ。でもね、今までは1人で行ったから、通されたのは別の席だったの。そこには段差は無かったの。だから、さっきの席に段差があるなんて知らなかったの!」 「でも、別の人が罠に掛かるのは見ていたでしょ。それなのに?」 恥ずかしさと悔しさで、ふるふるしながら私は答えた。 「……食べているうちに忘れるよ、そんなの。貴方もわかっていたら、立つ前に一声掛けてくれればいいものを」 「幾らシオンでも、大丈夫だろうと思ったんだよ。まさか本当に忘れているとは。それにしても凄い声だったね。キャーとかじゃなくて、ふわ!とかほわ!とか(←何れも「わ」にsfz、或いは縦型アクセント=Λ)、そんな感じだったよ。良かったねシオン、これでお店の人にも顔を覚えられたよ!」 ちっとも良くない……。 ほとぼりが冷めるまで行けなくなったよ!
|