天上天下唯我独尊

2008年11月13日(木) 病院ウィーク

今日も病院に行って来た。
しかし診察の為ではない。

先月下旬のある日、主人は帰りが遅くなるため、私は1人で早目の夕食を摂っていた。
夕方のニュースを見ながら焼き魚を食べていると、喉がちくりとした。
味噌汁を飲み下してみたが、違和感は流れない。
これはもしかして、二十数年前の悪夢再来の予感……。

小学生の頃、給食中に、私は魚の骨を喉に引っ掛けた。
水を飲んでもご飯を丸呑みしても効き目は無く、痛みは酷くなるばかり。
唾を飲み込むだけでも酷く痛いのだ。
結構奥の方に引っ掛かったらしく、保健の先生も匙を投げ、私は先生の車で近くの耳鼻咽喉科に運び込まれた。
耳鼻科の先生は、吸引器具を使って、割とあっさりと骨を取ってくれた。
骨は結構大きかった。
何でこんなに大きい物を飲み込んだんだろう、よく噛めば防げた筈なのに……と自分でも恥ずかしかった。

それは私にとって一寸した心的外傷となり、未だにお魚は苦手である。
お刺身は好きだが、骨のある焼き魚だと、どうにも食べるのに慎重になる。
慎重になり過ぎて、いつまでももぐもぐしていると、味が無くなって美味しくないのだ。
それでも一応主婦になったので、健康のために、週に2回は魚の日を設けるようにしている。
今日も慎重に食べていたつもりだったのだが、空腹で早く食べたかったのか、ニュースに気を取られていたのか、再び骨を喉に引っ掛けてしまった。
でも前回のように奥ではない事は、自分でもわかった。あの時ほど苦しくはない。
もしかしたら、自分で取れるんじゃ……と一縷の望みを持って洗面台の鏡の前に立ったが、駄目だった。照明が暗過ぎる。
主人の帰りは、まだ先だ。尤も彼がいたところで、目が悪いので頼りにはならない。
嗚呼、こんな時、実家だったらな……と思いつつ、総合病院に電話した。
そこでは時間外診察はやっていなかったので、別の病院を紹介して貰い、そちらに向かった。
夜間救急は、私が一番乗りだったので、すぐに診て貰えたが、医者の腕はイマイチであった。
大袈裟に内視鏡まで引っ張り出したのに取れず、結局普通に喉から取る方が早かった。
取れた骨を見せて貰ったが、透明で、確かにこれでは見付け辛いかも知れない。
しかも鼻から入れられたため、私は暫く鼻炎で苦しむ事になった。
待合室に戻ると、そこには何組かの患者が順番待ちをしていた。
具合が悪そうな子供を抱える母親を見ると、魚の骨程度で救急外来に来て済まないような気がした。

数年前の主人の時もそうだったが、夜間外来だと、一時金を受付に預け、後日昼間に精算しに来なければならない。
数日後に1度来たものの、肝心の紙を忘れてしまい、その後はなかなか来る機会がなくてそのままにしてしまった。
今回主人が寝込んでいる間に部屋を片付けていたら、紙が出て来たので、忘れぬようにはんこをついて署名をしたのだが、小さい字でこう書いてある。
「2週間以内に精算して下さい」
……ええと、もう3週目に突入しているんですが、駄目ですかね。
駄目で元々、今日こそはと紙を持って、そ知らぬ振りで受付に差し出した。
「2週間過ぎているので駄目ですねー」
と言われるかと、ドキドキして待っていたが、ちゃんと精算して貰ってほっとした。
お釣りの1,220円と領収書を受け取り、内訳を見ると
「手術料 5,880円」
……あれって、手術だったの?
確かに内視鏡は使ったけれど、あれは不要だったのに、それでもお金は取られるのか。
こうして保険料は無駄に遣われるのだと、気持ちが萎んだ。


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