天上天下唯我独尊

2008年08月13日(水) かもめツアー

主人は今週いっぱいが夏休みなので、墓参りツアーが終わって現地解散した後、夫婦2人でぐるりと北東北を回ってみた。
噂には聞いていたが、実際凄かった。


至る所に蛾の卵が。


建物の外壁、海岸の手摺り、車止めの裏側にまで、薄黄色い塊がくっ付いている。
うちの愚妹なら発狂するレベルだ。(妹は蛾が大の苦手)
うっかり寄り掛かったり出来ないよ。
私は潔癖症と言うほどでもないが、エスカレーターの手摺りにさえ触りたくない人間なのでまだいいが、無意識にあちこち触ったり寄り掛かったりする人はご注意を。
何故その塊が蛾の卵とわかったかと言うと、立ち寄ったコンビニに張り紙がしてあったのだ。
小学生が自由研究の発表で使うような大判の紙(名称忘れた)が貼ってあり、そこに、写真付きで蛾の生態と産卵の様子が書かれていた。
こんなの作るなんてコンビニの人も凄いなあ、と感心しながら、トイレ待ちの間にじっくり読ませて貰った。
潮風に吹かれながら、これ等が来年には孵化して、また蛾が大発生するのだろうか、と嫌な想像をした。
でも、蛾が増えるとそれを餌にする天敵も増えて、結局元の数に落ち着くんだとか。
我々が行った時には、もう蛾の産卵が終わっていて、夜に大量の蛾が飛び交っていてウギャーという事は無かったが、嫌なものは嫌だよねえ。
地元の人は大変だろうけれど、頑張って駆除して下さい……。

気を取り直して、遊覧船に乗ってみた。
最初は興味無かったのだ。
鴎が沢山飛んでいて、ヒッチコックの映画を髣髴とさせて怖いし。
しかも怖い。鴎の顔は結構強暴だ。
それが餌欲しさに寄って来るのだ。
突付かれるんじゃないかと、怖くなる。
さて、エンジンがかかり、しゅっぱーつ。
出航して間も無く、パンの車内(?)販売があった。
鴎の餌である。人間が食べても害は無いようで、美味しいと言って食べている人もいた。
金華山ではかっぱえびせんが鴎の餌だったが、パンの方が塩分少な目で健康的かも知れない。
こんなのにお金を出すなんて……と思って見ていたが、主人が買っていた。
鴎に餌をやる様子を、初めは怖々と見守っていたが、波に揺られて次第にテンションが上がる。
うひょー!とか言いながら、先ほどの怖さはどこへやら、デジカメを取り出して鴎を撮る私。
しかし鴎は常に動く。
シャッターを押してから、撮れるまでにタイムラグがあるので、確認してみると間抜けな写真ばかりだ。
横から主人が覗き込み、
「何でうちの車(海沿いの駐車場に停めてあった)なんて写してるの……」
と呆れたように言った。
そんな主人も、やはり間抜けな写真ばかり撮っていたが。
「シオンもやってみる?」
と主人からパンを渡され、ほい!と餌をやってみた。
私の投げ方が下手なので、餌は海に落ちてしまったが、鴎は目敏くそれを見付け、水面に漂うパンをサッと咥え上げる。
狙いをつけてホイっと投げると、鴎は上手に空中でキャッチしてくれる。
た、楽しい(笑)。
結局、主人のパンを全部取り上げ、ホイっ!ホイっ!と餌をやっていた。
何故か掛け声を付けないと、上手に投げられない私。一種の景気付けか。
傍から見るととってもヘンな人なんだろうな……でもテンション高いので気にしなーい!
船内では観光案内のアナウンスがかかっていたが、鴎に夢中で殆ど聞いていなかった(笑)。
折り返して戻る頃にはパンも尽き、鴎もいなくなってしまった。
ここまでなら餌を貰えると、学習しているのだろう。
行きは良い良い帰りは怖いで、復路は雨が降り、波が高くなって来た。
それでもウヒョーと往きのテンションを維持する私。(呑んでないよ!)
一寸肌寒いけれど、雨がかかるけれど、楽しいねえと言う私の前の席のご婦人が、何やら様子が変だ。
抱っこしていた子供を、前の席のご主人に預け、座席から降りてしゃがみこんでしまった。
そして、持っていた袋にリバース……あらー揺れに弱いのか。
戻すお母さんも、両手に1人ずつ子供を抱えるお父さんも、大変そうだった。
お父さんに抱っこされた2人の子供は、ずっと前から怖い怖いと泣きっ放しだし、一体この家族は何を楽しみにこの船に乗ったのだろう……。

船を降りて、大満足の私に、主人は
「シオンがこんなに喜ぶとは思わなかった。良かった良かった」
と言ってくれた。
また来ようね!
今度はケチらないで、ちゃんと餌を買うよ!


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