2007年09月30日(日) |
同業者には甘いマスコミ |
9月27日、ミャンマーで日本人記者が死んだ。 軍事政権に反対するデモの様子を至近距離で撮影していて、これまた至近距離で撃たれたらしい。 従軍記者とか、危険な所で取材して真実を報道するのは、大変だけれど尊い仕事だとは思う。 TV報道では、この人はヒーローのように扱われているが、一寸気になった事があった。 「真相報道 バンキシャ」だったと思うが、殺された長井記者の現地ガイドだか通訳だかのインタビューを放送していた。 その人によれば、長井記者は、取材のために敢えて危険な所に行きたがっており、現地ガイドが危ないから嫌だと拒否しているのに、それじゃ取材にならないだの真実を伝えたいんだだのと言って、怒ったと言う。 その話が本当だとしたら、幾ら何でもそりゃ記者の我が儘なんじゃないの、と思ってしまった。 ガイドだって、お金を貰ったって命は惜しい。危険な所には行きたくない。そんなの当たり前だ。 それを怒るなんて、逆切れもいいとこ。 何と言うか、「こっちは金払ってんだぞ」という、日本人の嫌な面を見た気がした。 そんなに行きたけりゃ、自分で語学を習得して1人で行けよというのが、ガイドの本音だったと思われる。
この事件で、3年前のイラク邦人人質事件を思い出した。 ネット上で「3馬鹿」などと呼ばれていた、日本人ボランティア達の話である。 あの時、マスコミは3人の身を案じつつも、民間人の癖に危険地帯にいた彼等に対してちらちらと非難の色を覗かせた報道をしていたが、その直後に起きた日本人ジャーナリスト2人組の誘拐事件では、3人組に対するのとは全く逆の態度を取っていた。 今になって思えば、あれも、報道関係者は特別なのだという、マスコミの同業者擁護だったのだ。 今回の長井記者殺害も同じで、本人の無謀な行動には殆ど触れず、報道関係者だから仕方が無いとでも言うように、庇っているのだ。 マスコミは長井記者の死を挙って美談に仕立てようとしているが、何の事は無い、私には、暴走記者の自業自得に見えてしまったのだった。 確かに、気の毒ではあるんだけれどね。
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