7月末に見た、アンビリバボーの話。
「感動のアンビリバボー」には、基本的に興味の無い私。 私の目当ては勿論、心霊写真特集である。 でも最近、同番組では、心霊関係は殆ど扱わない。 非常に不満である。 日本民間放送連盟の放送基準を見ると、「催眠術、心霊術などを取り扱う場合は、児童および青少年に安易な模倣をさせないよう特に注意する」とある程度だ。 心霊の取り扱いが減ったのは、視聴者からクレームが入ったからなのだろうか。 心霊現象は現在の科学で説明し切れていないだけで、全くの嘘だと証明されたものではないのだから、そんなに神経質になる事ないのに。 私のような心霊好きにとっては、以前はもっと沢山心霊を取り扱っていたのに、最近のアンビリバボーはつまらない。
恐怖のコーナーの後は、感動コーナー。その日は、服部匡志という目医者さんのお話だった。 父親を癌で亡くしたのをきっかけに(但し、ブラック・ジャックのように「尊敬する本間先生のような医者になりたい」という動機ではなく、逆に「あんな心無い医者ではなく、患者の痛みのわかる医者になりたい」という動機だった)医者の道を志し、眼科医になるものの、ボランティアで海外に行きたいからと休暇を申請したら、そんならもう来なくていい、つまり辞めちまえと言われて勤めていた病院を退職し、日本各地で治療→そのお金で薬や機械を買ってベトナムで治療→また日本各地で(以下エンドレス)という事を続けているという。 ベトナムだけではなく、発展途上国はどこでもそうなのだろうが、医療環境は劣悪らしい。 それを見兼ねた日本人医師が、私財を擲ってボランティアをしていると言う訳だ。 この人がやっている事は、確かに凄い。 そして偉い。 しかし、この話を「感動的」と取り上げる番組に、私は非常に違和感を覚えた。 これは個人がやるべき事ではない。 国家事業としてやるべきだ。 日本は、日本国民の税金で、海外に援助している。 しかしその方法は以前から問題があると言われており、具体的にどれだけ成果を上げているかも、よくわからない。 国は国民の血税を無駄金としてばらまくのを即刻止め、やり方を変えて、もっと有効な遣い方をしなければならない。 服部医師のような個人が犠牲にならずに済むように、国が代わってやれば良いのだ。
一緒に見ていた主人は、 「この人、偉いなあ」 と言っていたが、これは個人がすべき事ではないという私の意見にも、一応賛同はしてくれた。 でも、服部医師を否定はしなかった。 「貴方がこのお医者さんみたいに、稼いだお金を慈善事業に注ぎ込むと言い出したら、私は大反対するわ」 と私が言うと、主人は即座にこう言ったのだ。 「奥さんにそんな事を言われたら、僕なら離婚するな」 ええーっ!? 「でも、離婚になったら私はがっぽり慰謝料取るから、そしたら貴方はボランティアどころじゃなくなるわよ」 と言い返すと、すんごい冷たい目で睨まれたのだった。 主人がボランティア狂の医者じゃなくて、本当に良かったと思った(笑)。 うちの親だって怒るよ、そんな亭主。 そんな苦労をさせるために娘を嫁にやった訳じゃない、って言うだろうな。 なんたってうちの親も、ボランティアに理解が無いから。
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