薬が無くなったので、病院に貰いに行った。 今回もT社じゃなくてK社の薬がいい!と言ったのだが、皮膚科医はいちいち申請書を書くのが面倒なのか、煩い患者を診るのが嫌になったのか、それとも本当に私の事を考えてくれたのか(どこまで疑い深いんだ私)、漢方外来を受診するよう勧めて来た。 それで漢方外来に回されたのだが、そこでもK社の薬をお願いしたら、こんな事を言われた。 「毎回、1人の(患者の)ために申請するなんて、出来ませんよ」 つまりここの科でも、病院で指定していない薬の申請書を書くのが面倒だと言うのである。 病院なんて、受付では患者サマと言っておきながら、所詮中身はこんなもんだ。 しかしこのジジイの言い草にはムッとした。 「じゃあ、K社の薬を処方してくれる病院を紹介して下さい。そちらに行きますから」 売り言葉に買い言葉である。 取り敢えず、暫く待合室でお待ち下さいと言われて待っている間、何がジェネリックでお願いしますだ、何でも医者の胸三寸じゃねーかよとプンプンしていたのだった。
再び呼ばれて診察室に入ったら、医者はさっきとは打って変わった表情で、K社の薬で出しましょう、と言ってくれた。 しかも、私のアトピーは漢方で言うところの表熱裏寒が原因かも知れないので、冷え性の治療もしてくれると言う。 取り敢えず今日のところは、いつもの処方箋を出して貰い、次回の来院時に漢方の診察をしようという事だった。 どこの病院に行こうかなあ、紹介状を書いて貰えなければまた初診料取られるのか〜と考えていた私は、拍子抜けしてしまった。 私が待合室に引っ込んでいる間、一体何があったのかは知らん。 でも多分、いつもにこにこしている看護婦さんが、上手い事言い包めてくれたんじゃないかと勝手に推測している。 看護婦さん、有難う!
夜、主人にその話をすると、これだからシオン……と言われた。 「そういう時はね、喧嘩腰に言わずに、『それでは、毎回お手数をおかけしては心苦しいので、いっそK社の薬を出してくれる病院を紹介して下さい』と、申し訳無さそうに言えばいいんだよ。わざわざ敵を作っても、いい事なんて無いんだからさ」 なるほどー!! 目から鱗であった。 流石、ずっと社会人やっている人は違うわああ。 私も見習わなければ……出来るかな。
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