私の腕時計が壊れたので、新しいのを買って貰える事になった。
最近私は、自分の服を自分で選ばなくなってしまった。 というのも、客観的に自分を見る事が出来ないので、ついつい、いつも専属コーディネイターの主人に頼ってしまう。 その方が失敗が少ないし、というか殆ど失敗が無いので無駄な出費をせずに済むし、はっきり言って楽なのだ。自分で考えなくて済むから。 しかし時計の場合、私にも一応好みはある。 まず、デジタルは嫌。 革のベルトは汗をかくと下の皮膚がじっとりするので、これも嫌。 そして、文字盤の周囲をぐるりとブランドの文字が取り囲んでいるのも嫌。 (例:ブルガリ・ブルガリ。参照) あんまり、ブランドを前面に出しているものは好きではないのだ。 以前にも書いたがこっ恥ずかしいし、金を払ったこちらがわざわざ宣伝してやるのも癪である。
一応の方向性は決まったが、時計屋には売るほど時計があるだけの事はあって、色々なメーカーの色々な時計が置いてある。 わからん。 「ねえ、どんなのが似合うと思う?」 と、結局主人に訊く事になった。 「うーん……ファッション・ウォッチっていうの? 一寸洒落た、アクセサリー感覚の物がいいんじゃないの」 助言に従い、お洒落な時計を探して、お店のショーケースを覗き込む。 売り場を一周し、これとこれかなあ、と候補を絞った。 「じゃあ実際に着けてみたら? すみませーん」 といきなり店員さんを呼ぶ主人。そして尻込みする私。 私は、ふらふらとウィンドウ・ショッピングをしていて店員さんが来ると、途端に逃げるタイプなのだ。 一方の主人は、そんなのお構いなし。店員さんにあれこれ訊いた挙句、買う気にならなければ、「じゃあまた来ます」と言ってさっさと店を後に出来るタイプである。 すぐに来てくれた店員さんに、 「これとこれ、試してみたいんですが」 などと言って、ケースから出させている。 「他にも、、これなんて可愛いですよ〜」 とさり気無くオススメ商品も出して来る店員さん。 確かに可愛い。ウサギさんがプラプラしている。 着けてみて、私もホワ〜ンとしてしまった。 でもこの時計は駄目だわ……。 「可愛いけれど、シオンはウサギをどこかに引っ掛けて失くしそうだね」 主人も私と同じ事を考えたようだ。 「私もそう思う。ウサギさんが引っ掛かって、服に穴開けてキィ〜ってなりそうだし。うう、可愛いんだけどね〜」 結局選んだのは、3万ちょいの腕時計。 前のとは大分違うけれど、これはこれでいいかも。 お気に入りになりそう♪ダーリン有難う!
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