これは昨年、TVドラマで見て嵌まった。 原作も読みたいと思っていたのを、先日やっと古本屋で購入。 文庫本にしては厚いが、一気に読み終えた。
感想:どんなに生い立ちが可哀相だろうが、こんな奴とは絶対に関わり合いたくないわ〜。
その他の登場人物に「逃げてー、全力で逃げてー!」と言いたくなった。 そして、読んでいて一寸苛々する。 というのは、私はやはり、悪事を働く人間には須らく天罰が下るべし!と考えるからである。 勿論、生きているうちに。 読者の想像に任せるというのは小説の手法の1つなのだろうが、私はきっちりそこまで見届けたいのだ。 そうでないと、読み終わった達成感を得られないではないか。
小説は小説、ドラマはドラマで面白かった。 小説では明かされない、主人公達の心情の描写がドラマにはあるので、彼等に同情して涙した人は少なくないだろう。 私もその1人だ。 しかし、やはり悪事は白日の下に晒されなければならない。 生き残った被害者の人間の尊厳に関わるため、非常に繊細な問題ではあるのだけれど、罪を重ねて生きるよりはずっといいと思うのだけれど、結局こういう人達は「自分さえ良ければ」なのだろう。 そういう点で、私は同情仕切れなかった。 ただ、切ない。
役者について。 綾瀬はるかは小説の雪歩像とはかなり違うが(小説の方が遥かに恐ろしい)、これはこれでアリ。 そういや彼女、マックス・ファクターのCMにも出ているな。 肌の透明感が羨ましい。若いっていいねえ。 女優の美しさもいいが、ドラマで1番の見所は、武田鉄也だと思った。 武田鉄也と言えば金八先生とか、「101回目のプロポーズ」のお兄ちゃんとか、いい人役が多いが、「白夜行」では炯眼の刑事役。 最初は、ミス・キャスト?と思ったが、とんでもない。 この人、金八先生より、こっちの方がずっと合ってるよ! しかも回を追うごとに、ジャン・バルジャンを追うジャベール刑事のように、執念深く昔の事件を追い続けるこの刑事が、格好好く見えて来たりして。 演じているのはちんちくりんのオッサンだというのに、どうしたんだ私! というぐらいに、武田鉄也が良かった。 山田孝之よりも鉄也にときめくとは、とんだ伏兵だった。ふう。
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