2007年03月15日〔木〕あり得ないスープ・スパゲティ 追加。 何があり得ないって、もうホントに。
愚妹ドビーはこの春、目出度く学校を卒業し、社会人になる。 学校に残って勉強したいという希望もあったらしいが、 「ちょっとお、お父さんとお母さんを2人きりにしておいたら、何かあった時に心配じゃないの。私はもう結婚して遠くに行っちゃったんだから、アンタはさっさと実家に戻って、両親の手許にいて、安心させてやんなよ」 と姉である私が言い含めたので、実家の近くに就職したのだ。 それでも妹は 「お姉ちゃん酷い、長女の癖に家を出ちゃって〜」 とぶつぶつ言っていたが、 「フン、そんなの早い者勝ちよ」 と私が捻じ伏せた。無理矢理である。 職場は、実家の近くとは言え、お寝坊さんが通うには少し辛い距離なので、アパートを借りる事になる。
今回の里帰りは、私が老親に代わって妹の引っ越しを手伝う事が目的だと思っていたのだが、なんと、私が老親に代わって妹の卒業式に出よとの事。 それがちゃんと私に伝わったのは、里帰りの2日前であった。 「どうしてお母さんが出ないの?」 と母に訊くと、 「だって、疲れるじゃない」 との返事……私は疲れてもいいの? しかし母は昨年病気をして以来、少し疲れただけで寝込んでしまう。無理はさせられない。 でも卒業式って、何を着れば……? 手持ちの服できちんとした物と言えば、和服しか持っていない。 だが雨が降ったら、着物では出かけられない。ではスーツ? しかしそんなものはとっくの昔に処分したので、慌ててデパートで、それらしく見えるジャケットを買った。 そう、上だけ。下はある物で済ませる。
春休みなので、妹は既に実家に戻っていた。 私が実家に泊まった翌日、家族4人で妹の学校近くのアパートに行き、その日のうちに両親は実家に戻る予定で、車2台で出かけた。 前の車には母と妹、後ろの車には父と私。 復路は父が運転するので、往路は母と私がそれぞれ運転したのだが、怖い。 前を運転する母の車が、路側帯に寄り過ぎなのだ。 確かに教習所では、車線の真ん中より少し左を走るようにと言われたが、そんなものではない。 左側のタイヤが、路側帯の線を踏み越えているのだ。 「あれは怖いなあ」 「だよね!? お母さん寝てるんじゃないの? お父さん、ドビーの携帯に電話してよ。あれじゃ危ないって」 「うむ……」 唸ってばかりで、全然電話する気の無い父。 怖い怖いと言いながら、高速道路の出口まで来てしまった。 妹のアパートは近くである。着いたら母に運転を注意しなければ。 高速料金を精算しながら、料金所のおじさんが、母の運転する車を顎でしゃくってこう言った。 「あの車の後をずっとついて来たの? 大変だったね〜」 思わず父と爆笑してしまった。 料金所のおじさんに同情されるほど酷い、母の運転って……。
因みに母は、寝てはいなかったらしい。 本人は至ってちゃんと運転していたつもりだという。 でも気を付けてね……もう歳なんだから。
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