屋敷しもべ妖精がやって来たので、早速おニューの鞄を見せびらかす。 「凄い、本当に買ったんだ……。お義兄さん、優しいなあ」 と私の前では言っていた妹ドビー。 ところが主人の前では 「お義兄さん、お姉ちゃんを甘やかし過ぎですよ〜」 と来たもんだ。 それに対する主人の答え。 「まあ、世界で1人ぐらいはシオンに優しくしてやってもいいかなと」 「1人だけかよ!」 妹、大笑い。
朝、頭が痛くて起きられなかった。 出勤する主人を、布団の中からお見送り〜。 頭痛が治まった9時頃、漸く起きたのだった。 その晩、夕食の時に、妹に言われた。 「お姉ちゃんって、いい暮らししてるよねえ」 「何それ、どういう事さ」 と訊くと、 「だってー、朝ゆっくりしててもいいし、あんな高い鞄買って貰えるし、子供もいないし仕事もしていないのに、いい生活だなあと思って」 つまりニートって事か? すると間髪入れずに、主人が言った。 「僕もそう思うよ」 ぶはあ。そう来たかっ。 私も妹も大笑い。 「でもさ、家の中の事はちゃんとやってくれるし、まあ偶にはご褒美もやらないとね」 家の事……してるかなあ。 と一寸考える私の横で、 「でも私がいると、家の事半分しかやらないよね、お姉ちゃん」 とブツブツ言う妹であった。
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