☆↓ちょこっと下、2月18日&19日分更新。
昨夜から熱が出て、1日を布団の中で過ごした。 1時間おきに目が覚め、寒さでガクガク震えたり、暑くて汗びっしょりになったりの繰り返し。 トイレに立つのすら億劫だった。だって寒いんだもん。 普通の寒さではないのだ。 ブルッと足許から這い上がって来る身震いが、何とも嫌あな感じなのだ。
夕方4時、主人が帰って来た。 「どうしたの? 今日は飲み会だって言っていたのに」 「うん。幹事だったんだけれど、他の人にお願いして帰って来たよ。病院には行ったの?」 ううん、何をするのも嫌だったから行かなかった、と答えると、じゃあ今から行こう、と言われた。 午前中よりはまだましだったので、すぐに着替えて病院に連れて行って貰った。 もしかして、心配して帰って来てくれたの?と訊くと、 「いや、僕も具合悪かったから。職場で熱を測ってみたら、37度5分だったんだよね。もしかして、うつされたかなあ」 と言っていたが、多分、飲み会<奥さん なんだよね、と思って安心した。 というか、そう思いたい。
病院で熱を測ったら、39度だった。うひょひょ。 長ーい綿棒で鼻の奥の粘膜を採取され、座薬を入れ(これは自分で。でも病院のトイレって嫌い)、すぐに処置室にて点滴。 点滴しながらぼーっと寝ていると、ドクターが入って来た。 「やっぱりインフルエンザでした。A型です」 A型……? 私はO型なんだけどな……ああ、インフルエンザがA型なんだ……。 理解するのに少し時間がかかった。熱のせいだと思う。多分。 ドクターは続ける。 「それでですね、今話題のタミフルなんですが」 タミフル!! ドキドキ。 「厚生労働大臣は、タミフルと異常行動との間に因果関係は認められないと言ってましたがね。ありゃやっぱり因果関係はあると思いますよ(後日、別のドクターも同じ事を言っていた。これが現場の共通認識というものだろう)。但し、今のところ、タミフルに代わるインフルエンザの薬が無いんです。そして異常行動は、未成年者の、しかも特定の条件でしか出ないんですよね。成人や高齢者の異常行動例は全く報告されていないんです」 と丁寧に説明してくれたので、安心してタミフルを飲む事にした。 失言する機械が馬鹿の一つ覚えみたいに「因果関係はありません」と言うより、こっちの方がよっぽど安心出来る。 そうじゃないと、厚生省は中外から賄賂貰ってんじゃないかと余計な勘繰りもしたくなるというものだ。
点滴が終わると、看護婦さんが、 「ご主人が大分前からお待ちですよ」 と耳打ちしてくれた。 点滴の間、時間がかかるから、1時間後に迎えに来てと言っておいたのだが、それよりも早くから来ていたようだ。 それが、妻を心配する夫として、看護婦さんには微笑ましく映ったらしい。 しかし実際は、 「買い物が済んだから、そうだ待合室で漫画でも読もうと思ったんだけれど、さっきは誰もいなかったのに人がいたからさ、この歳で漫画も恥ずかしいじゃん。だから何もしないで待ってたの」 と、微笑ましいというよりは、間抜けな話であった。 「インフルエンザ確定だから、貴方も診て貰ったら良かったのに」 座薬と点滴とタミフルで少し落ち着いた私が言うと、彼は 「いや、根性でもインフルエンザには罹らんぞ。自慢じゃないが、今までインフルエンザにだけは罹った事がないんだ」 と妙な意地を張る。 「シオンもタミフル飲んで、大人しくしてるんだよ。全裸で外に飛び出して、途中で我に返って、岩に頭を打ち付けて死んだりしないでね」 そんな死に方嫌です。
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