昨日は私の誕生日ではなかったけれど、誕生日を祝って貰って贅沢をしたので、今度は主人の願いを叶えようと、2人で出掛けた。 セーターが欲しいと言うので探しに行ったのだが、これがまた難しい。 何せ、彼の体型は規格外。 (彼の名誉のために言っておく。すんごいデブという訳ではな。縦にも横にも大きいのだ) そして、そのサイズの服はなかなか見付からない。 やっと見付かっても、色が嫌だの形が気に食わないだの、なかなか首を縦に振らないのだ。 自分の服を選ぶより面倒くせえ。 結局、やっすい綿混のセーターを指差して、これで良いなどと言い出した。 待て。その値段は昨日買った私のスカート2着の10分の1ではないか。 そこまで差が付いたら、流石の私も良心の呵責を覚える。 もう疲れたから家に帰りたいとごねる彼を宥め、最終手段の百貨店に行った。
本当は百貨店なんて高い物しか置いていないから、行きたくなかったんだけれどさ。
私も何を血迷ったか、スカートどころではない値段のセーターを彼に買ってしまった。 う……ま、まあいいか。 彼が汗水流して稼いでくれたボーナスだもの、彼のためにこそ遣わなきゃ、罰が当たる。
しかし、私はそれをすぐに後悔する事になった。 最近敷き布団がへたって来たと彼がぼやいていた事を思い出し、布団売り場を覗いてみる事にしたのだ。 本当に覗いてみるだけのつもりだったのだが、即決で買ってしまった。 13万円↑(!)のマットレス。 先に布団を買っていたら、あんな馬鹿高いセーターなんて絶対に買わなかったのに……!
あーもうこっそりセーター返品しちゃおうかしらなんて暫く悶々とした日々を過ごしたのだった。 もうボーナスなんて半分ぐらい遣っちゃったような気がする。 心が寒い。 お金の余裕は心の余裕。その余裕がちょっぴりなくなってしまったのだった。 勿論お金に無頓着大らかな主人はそんなの全然気にしていないが。
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