ダーリンと買い物に出掛けた。
スーパーに入るとすぐ、食べ物好きなダーリンは、1人でゆっくり見て回る。 私はさっさと買ってさっさと帰りたいので、目的の物だけ先に買うべく、単独行動になってしまった。 野菜&果物売り場では延々と、何やら明るい歌が流れていた。 音質のせいなのか音量のせいなのか、よく聞こえないが、「スーダラスーダラダー」と言っているようだ。 何の歌だかちっともわかりゃしない。 「おさかな天国」の爆発的ヒット以来、商品のキャンペーン・ソングというかコマーシャル・ソングが色々と作られているようだが、「きのこの唄」ぐらいしか、大当たりは出ていないのではないだろうか。 この歌も駄目そうである。 何をテーマにしたものか解らないようでは、商品のアピール度が足りないと思った。
帰宅途中、ダーリンに訊いてみた。 「野菜売り場でかかっていた、スーダラの歌、あれ何だったの?」 「スーダラの歌? 何じゃそりゃ」 スーダラでは通じなかったので、聞こえたままに口ずさんだ。
♪ソソミミレレミレ ソソミミレレミレ シーシシラーララソー♪
「スーダラじゃなくて、『スイカの名産地〜♪』だよ。「ス」しか合ってないじゃないか。全くシオンは」 「わ、私は近くに行かなかったから、よく聞こえなかったのよ! 他の部分は何て言ってたの?」 「知らない。兎に角『スイカの名産地〜』しか聞き取れなかった」 「なあんだ」 ダーリンなら全部聴いていたのかと思ったら、一寸がっかりである。 「んで、どこがスイカの名産地だったの?」 「だから聞き取れなかったってば。他は何て言っているのか、全然わかんなかったよ。あれじゃあ意味が無いだろうよ!」 「そういや、もずくソングとかもあったよね。『♪もずくずくずく』とかいうやつ。最近聞かないけれど」 「あったね。『もずくの気持ちも 考えて♪』とかいうやつね。もずくの気持ちなんて解る訳ねえだろ!」 取り敢えず作ればいいというのではなく、コマーシャル・ソングには、それなりの質も欲しいものである。
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