2006年06月03日(土) |
世界がもし100人の村だったら |
気分が落ち込みそうなので読んだ事は無いが、「世界がもし100人の村だったら」という本の題名は聞いた事がある。 その特別番組を見た。 これで4回目らしいのに、私が見るのは今回が初めてである。
今回登場したのは、3人の子供達。 1人目、ウクライナのエイズウィルスに感染した9歳の浮浪児。 ウィルスは、麻薬中毒の親父が回し射ちで貰って来たのを、一緒に暮らしている間に、親父の吐血に触ったか何かで貰ってしまったらしい。 入院先から逃げ出したこの少年は、施設に入れられたらまたあの暴力親父の許に連れ戻されため、キエフの街を逃げ回っているのだ。 ……HIVキャリア、しかも浮浪児が、街中をうろうろしているってどうなのさ。 この子供が怪我をして、この子の病気の事を知らない人が、親切心を起こして手当ての最中に感染しないとも限らない。 この国の福祉は一体どうなっているんだ? 病院にいればウィルスを抑える薬を貰えるのに、彼には病気よりも、親父の暴力の方が耐え難いらしい。 少年の夢は、父親がクスリを止めて、蒸発した母親が戻って来て、可愛い妹と家族4人で仲良く暮らす事である。
2人目は、ガーナのカカオ農園で働く11歳と6歳の兄弟。 彼等は、チョコレートを食べた事が無い。(だからと言って、彼等に「これがチョコだよ」と食わせるのも酷だと思うが) そして、弟は「学校に行きたい」と言う。 日本の子供達なんて、「学校に行きたくない」などと言っているのに。 取り敢えず不登校児は、これを見て、自分の贅沢を知るが良いと思った。 彼等の農園での労働の様子を見たが……危険。 6歳じゃなくても危ないよ! 下手すりゃ指を切り落として、鉈でココ事件になってしまう。 それでも彼等は働くのだ。 生きるために。
3人目は、アルゼンチンの15歳の未婚の母。 子供の父親は、彼女の妊娠を知ると逃げてしまった。まあ日本でも、よくある話である。 しかし彼女には親はなく、スラム街で姉弟達と暮らしているため、誰にも頼る事が出来ない。 しかも2人目を妊娠中……ハァ? お腹の子供の父親は出稼ぎ中で、帰って来たら結婚して、上の子も一緒に4人で暮らそうと言ってくれたという。 うわーそれって思いっ切り常套手段じゃんよホントにその男は戻って来るのかい?と猜疑心の塊になる私とは対照的に、嬉しそうに語る彼女。 果たして男は出稼ぎから戻って来たが、結婚を迫る彼女をのらりくらりとかわし、出稼ぎ前の約束はあっさり反故にされた。 まあこれも、日本でもよくある話よ。 (15歳の小娘ならまだしも、30歳代の女でさえ、こういうのにひっかかる馬鹿はいる。尤も日本では、15歳で2人目なんてのは稀だと思いたいが。それに、月が満ちる前にその多くは堕胎するだろう) そして10代半ばにして、計画性の無い人生を歩み始めてしまった彼女は、稼ぎも無いのに幼子2人を抱えてしまったのだった。 アホ……。
ガーナで心が痛んだものの、アルゼンチンが余りに余りだったため、私の同情心はすっかり吹き飛んでしまった。 だってこの少女の場合は、自己責任じゃんよ。 番組始めに募金のお知らせがあったが、心の優しい人々は募金してしまうのだろうなあ。我が家はしないけれど。心が優しくないから。 しかしこの終わり方はないだろう、フジよ。 安倍官房長官という豪華ゲストを招いたものの、コメントの多くは時間の都合で省略されてしまったのね、という印象を視聴者に与えるような終わり方だった。
どこの国にも、金持ちと貧乏人がいるものだ。 それでもやはり、重要なのは教育だと思った。 勉強だけではない、道徳や性教育も含めた教育が必要である。 (但し私が言う性教育とは、小学校低学年から教えるという性科学教育ではない。道徳的性教育である) そして、日本では勝ち組負け組の組分けが流行っているが、仮令日本で負け組でも、世界的に見れば勝ち組なのだ。 上を見てもきりが無い、下を見てもきりが無い。 向上心が無い奴は馬鹿だ(by K)が、上ばかり見てあっぷあっぷしているのもどうかと思う。
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