昨日から首が痛いと訴え、今朝も辛そうに仕事に出たダーリンは、家に帰って来ても変わらずに具合が悪そうだった。 寧ろ、今朝より辛そう……どうしたんだ。 「大丈夫? 晩御飯食べたらすぐお休みになりますか?」 と心配して声をかけたが、首を横に振るだけ。 「顔色も悪いし、さっさと横になったらいいのに〜。明日、病院に行ってみる?」 「ううん、仕事忙しいから無理。それに、多分行っても駄目だと思う」 え。 それってまさか。 ダーリンは続けた。 「今日仕事に行って初めて知ったんだけれど、また死んだんだよね、若いのが」 「ええと、貴方、首が痛いって仰っていたけれど、もしや」 「うん、首吊り。昨日の未明だって」 またかよ! どうしてこの人はいつもいつも……。 毎度の事で、もう怖いとすら思わなくなってしまった自分がいる。 「で、自殺の理由は?」 「『もう頑張れません』って書き置きがあったんだって。こんな事で自殺するなんてさ」 と、掻い摘んで事情を説明してくれた。 ああ、ダーリン怒っているな。 「うん。悪いけれど、『こんな事』としか思えないね。馬鹿だよねえ、若いのに自分の手で人生の幕を下ろしちゃうなんてさ。それが人生の全てじゃないのに。どうしてそれしか見えなくなっていたかなあ」 全く知らない人の事だが、可哀相にというより、馬鹿だなあとしか思えなかった。 ダーリンも溜め息を吐く。 「ほんとに馬鹿だよ。どうしてこの年代の奴は、弱いんだろう。前にもあったでしょ、死んだ若い奴。同い年なんだよね」 ああ、そうか、あの子も首吊りだった。 彼は遺書も残さず、突然の死に、遺族は酷く苦しんだのだった。 「でも今回は、遺書があっただけまだましだったのかしら……理由が解らないと親御さんも辛いでしょうからねえ」 「そうだね……でもなあ。死ぬほどの事じゃないのに何でだろう」 と、彼は悔しさを滲ませた。
全部森のせいって事でいいですかね。
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