天上天下唯我独尊

2006年02月03日(金) 白い悪魔

妹が帰省すると言うので、合わせて私もこの週末に里帰りする事にした。
体調が悪い人を置いてけぼりにするのは後ろ髪引かれる思いだったが、行っておいでと言われたので。

大雪で、電車もバスも遅れた。特にバス。
絶え間無く雪が降り続いているので、除雪をしても追い付かず、道路には轍が出来ている。
しかも酷い吹雪で、時々窓の外が全く見えなくなるのだ。
前の車のテールランプすら掻き消され、目の前が真っ白になる。
そうすると、車は停止ランプを点滅させ、最徐行するのだ。
数年前の冬に関西から来た人が、この道を運転して後で気付いたら、運転中ずっと食いしばっていたために歯がガタガタになっていたと言っていたが、決して大袈裟な話では無い。
雪国の人間でも怖いのに、暖かい地方から来た人なら尚更だ。
……そんな中を徐行でも進める運転手さんって凄いと思った。
しかも余裕で同僚と談笑してるし!
先日轍にハンドルを取られて、他所のお家のガスボンベに突っ込みそうになった私には、とてもこんな道運転出来ない。

目的地の待合室で、偶然妹と一緒になった。
寒いねえと迎えの車を待っていたら、何やら煙い。
どっかのオッサンが煙草を喫っているのだ。
「ここは禁煙ですよ。喫うなら外でどうぞ」
と私がオッサンに冷たく言い放つと、妹が私の袖を引いた。
「お姉ちゃん、それは可哀相だよ……」
待合室の外は、相変わらずの猛吹雪である。
「可哀相? どっちが? こんな密室で副流煙吸わされる私の方がよっぽど可哀相だよ」
と私が妹に向かって(その実はオッサンに向けて)容赦無く言っている間に、オッサンはすごすごと出て行った。
それでいいんだよ。
どうしても喫いたいなら、他人に迷惑かけずに、吹雪の中で喫ってみろ。
どうせならそこまで根性見せんかい!


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