♪神様ありがとう 僕に爪を付けてくれて〜 (「フランダースの犬」の主題歌「よあけのみち」の節で)
夕食後に主人と「西村京太郎からの挑戦本格ミステリークイズ芸能界推理王決定戦!」を見ながら栗羊羹を切っていたら、庖丁を上から押さえていた筈の左手の指が、次の瞬間、何故か庖丁の下にあった。 テレポーテーション!? 私のただならぬ気配に気付いて、主人がこちらを振り返った。 「どうした。また切ったのか」 「うん……指が滑ったみたい。血が出て来たよ」 表面張力で血が膨れ上がる傷口の延長線上、人差し指の爪にも刃物の痕が付いていた。 羊羹でべたべたする指を洗いながら、私はそこに爪があった事に感謝した。 もし爪が無ければ、庖丁はざっくり骨まで達していたかも知れない。 べたべたを落としたものの血がどんどん溢れるので、台所の流しまで持って来て貰ったティッシュでぎゅっと傷口を押さえる。 「切った時は何とも無かったのに、段々痛くなって来たよう。死ぬかも」 手を頭の上まで上げて、大袈裟に言ってみたが、彼の反応は冷たい。 絆創膏は出してくれたが……箱から出してくれよう。 「ねえ、何だか今日は冷たいのね。絆創膏剥いてよっ」 そう抗議すると、彼は絆創膏を剥きながら、 「病気だったら心配するけれど、それは怪我でしょ。シオンのミスだから、心配しない」 と言ったのだ。 「何よそれっ。じゃあ私が瀕死の重傷を負っても、自分のミスだろと貴方は鼻でせせら笑うの!?」 「そんな事言ってないでしょ」 「今の流れからするとそういう事じゃないのさ」 「じゃあシオンは僕にも一緒に騒げと? 2人でパニクったって仕方ないんだから、1人は冷静にならないと」 冷静と言うより、貴方の態度は冷たいと思ったんだけどな。 まあいい、洗い物は頼んだ。 お米も研いでおいてね!
プロスキーヤーの三浦敬三さんが、101歳で亡くなった。 数年前、TVでその存在を初めて知ったのだが、お肌が綺麗でとても驚いた。 毎日体操を欠かさず、酢卵と黒胡麻と蜂蜜とヨーグルトを混ぜたオリジナル・ドリンクを飲んでいるからだと仰っていた。 それで私も酢卵作りに挑戦したのだが……ある日ダーリンがジュースと間違って飲んで大変な目に遭ったので、それ以来作っていない。 また始めようかなあ。 あのお肌を見たら、続ける価値あり!と思ってしまう。
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