ダーリンの職場では基本的に夜7時半には追い出されるため、それ以後の残業はお家に持ち帰る事になる。 防犯上の事情というより電気代節約のためなのだろうが、そうなると当然残業代も出ない。 ダーリンが仕事を持ち帰る事は少ないが、同僚達は結構大変らしい。 「同じ仕事をやっている筈なのに、どうして皆あんなに時間がかかるのか不思議。僕は絶対手を抜いてると思われてるな」 と彼はぼやくが、それはただ単に彼の飲み込みが早く、良い意味で要領が良いからだと思う。
最近また仕事が忙しくなって来たようで、同僚達は毎日夜中まで、酷いと徹夜で仕事をしているらしい。 そしてこの状態は多分年明けまで続くのだ。 「おい、ブタ」「何だと、このサル」と奥さんと罵り合う愛称で呼び合うほど仲の良いB氏は、 「毎日夜中まで仕事してるとさ、最近カミさんが妙に優しいんだよな。『大丈夫?』とか言ってコーヒー淹れて来てくれたりして」 と他の同僚達と談笑していたので、ダーリンもつい、 「うちのなんか僕が仕事してると、『ねえねえ、遊んで遊んで〜』って纏わり着いて、必ず仕事の邪魔をしに来るよ」 と言ってしまったそうだ。
「一寸アナタ! そんな事職場で喋って来たの!?」 と私が突進すると、彼は防御しながら答えた。 「うん。皆すんごい大爆笑してたよ。良かったねシオン、うちの職場ではすっかり人気者だよ」 幾ら本当の事でも、あんまり変な事を暴露しないで下さい!
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