2007年12月03日(月) |
リズム & ゴールド・フィッシュ |
「リズム」「ゴールド・フィッシュ」森絵都 講談社
「リズム」では、主人公のさゆきは中学1年生。 同じ町内に住む、いとこの真ちゃんが大好きで、信じている。 真ちゃんは高校には行かないで、アルバイトをしながら音楽の道を探っている。 大人たちはいい顔をしないけど、さゆきはとても応援しているし、真ちゃんに夢を叶えて 欲しいと思っているのだ。 真ちゃんの両親が別居してしまったり、受験をひかえた姉に苛立ちをぶつけられたり、 母から真ちゃんとのつきあいに眉をひそめられたり、友達の犬が死んでしまったり。 中学1年生にだっていろいろある。 でも、真ちゃんが 「・・自分の思うように動いたり笑ったり出来なくなったら、そのときはこのスティックで リズムをとってみな。さゆきにはさゆきだけのリズムがあるんだから」 とドラムのスティックをくれる。
「ゴールド・フィッシュ」では、さゆきは中学3年生。 大好きな真ちゃんは、バンドをやるために東京へ越してしまっていない(「リズム」の 最後のほうの話) 幼なじみのテツとは、夏祭りの金魚すくいでケンカして、それっきり絶交(と、さゆきは思って いたが、テツはそうは思っていなかったらしい)。 真ちゃんのバンドが解散したらしいと聞いて、ビックリして、真相を聞こうと会いに出かけた さゆきとテツだったが結局会えず、代わりに会った真ちゃんのおじさんから「刺激しないで 欲しい」といわれてしまう。 真ちゃんの夢を応援していたかったのに、どうしていいかわからないさゆきは、がむしゃらに 勉強するようになる。勉強している間は、他のことを何も考えなくてもいいから。
大人の見方と子供の見方は違うんだなあ、とか。 ああ、こんな風に思ったこともあった気がする、とか。 訳もわからず、なぜかしら涙が出てきてしまったり、胸がキュンとなったりドキンとしたり。 まだまださゆきのことが知りたい、と思ってしまった読後でした。
娘にも読ませてみたいと思うけど、まだ読みたがらない気もするな。
☆☆☆(星みっつ)
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