日々是迷々之記
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2005年01月06日(木) 柔らかい女子の空気

私は勤勉なほうではないが、会社に行くのは嫌いではない。

ルーティンワークの中に身を潜ませ、やるべきコトを淡々とこなし、ちょっとした同僚との会話で大げさなほどに笑ってしまう。一日8時間。空調の効いた静かな室内で50人ほどの同僚の人たちと関わっていると、何か大きな流れの中で、私までが真人間になったような気がする。

未だにちゃんと意識の回復しない母親のこととか、これからの経済的なこと、飲み続ける精神の為の薬、だんだん効果の見えなくなってきた睡眠薬、そんなことはまぁひとまず置いておいて…。そんなゆっくりした空気がうちの事務所には流れている。

そして女子が多い。しかも老いも若きもいい人ばっかりなのだ。私は32歳なのでちょうど真ん中よりは少し下かな?という位置づけなのだが、ちょっと上の人達からは子育てとの両立の話、もっと上の人たちとは、ガーデニングや、韓国ドラマの話、そして年下の女子からはスキーやマック、おいしいケーキ屋さんの話なんかで盛り上がる。

私自身女子なはずだが、会社の女子を見ているとみんな非常にかわいらしくて見守ってあげたいような気持ちになる。(そっち方面の嗜好はないのだけれど。)きーきーときしんだ音のする椅子にクレ556という潤滑剤を吹き付けてきしみを取ったり、フロッピーを入れたまま起動して警告音を響かせるマシンを黙らせたり、いつも文章しかスキャナで取り込まない子に写真を上手に取り込むコツを指南したらめちゃくちゃ感動されてしまったりする。

後日、「季節限定 キットカット抹茶味」を私にくれて、「私、なおぞうさんみたいに結婚しても、派遣で働いて、ちゃんと責任ある仕事をこなすのが理想なんです。」と言われてしまった。確かに私はキットカットの限定が好きだ!と何かの拍子に言ったことはあるが、ついでに褒められながらもらっちゃうのである。ほんとにどうしていいんだかわからんではないか…。

ちなみに彼女は田中麗奈を普通の人にして肌をぷにっとさせて、ストレートのロングヘアにしたような、普通にかわいらしいお嬢さんである。私のように、斎藤清六、パタリロ、ヘビ女など異形のいきものに似ているタイプではまったくない。

そんな風な若手女子軍団が、たまには異常な発言を交えつつも仕事は真面目にやっている。そのゆっくりした柔らかい空気に触れることは、今の私には大変落ちつく時間だ。

しかし、派遣社員である以上職場との別れは唐突にやってくる。それが運命というもので、今までは運命様々やな、止めて正解!みたいなところばかりだったが、今回はその日が来たら、ちょっとくらいは泣いてしまいそうだ。


nao-zo |MAIL

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