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日々是迷々之記 目次|前|次
今日の日記は写真を織り交ぜながら進めていこうと思います。重かったら済みません。m(--)m さあどこに行こうかとわくわくしながら、コーヒーを入れた。 今日は天気がいいのでのほほんと走ることにして地図をめくる。海沿いを走ってから、山の方へ入り、小さな道を探索してみることにした。夕方には昨日と違う温泉に行くことにしよう。カバンの中に着替えと、お茶、そしてパンとカメラを入れ、8時半ごろ出発した。お出かけ装備はこんな感じだ。 潮岬はちょこんと出っ張った形になっており、一周約10キロだ。走り出してすぐ、空と海の青さにバイクを止める。 断崖の上からも、水が透き通って見える。 行ったことないけど、ハワイのダイアモンドヘッドってこんな感じかな?と思った。 たった5キロほどの道のりで何度もバイクを止めてしまう。眼下に串本の町が見えてきた。ジェットスキーの波頭が気持ちよさそう。 海岸沿いの国道は、これまた車が皆無だった。昨日つかみかけたライン取りのを思い出しつつ、淡々とコーナーを流す。60キロ位しか出ていないけれど気持ちいい。 途中で県道に入る。おお、滝があるやんか!ということで滝を見に行くことにした。 プルンプルンとカブは機嫌良く走っている。カブにはこんな田舎道がお似合いだなぁと走っていると、無人販売所があった。珍しくお菓子を売っている。お漬け物と迷ったが、傷むといけないのでマドレーヌを購入、ゆずのマドレーヌ、どんな味なんだろう。ここでぱちりと一枚。 セピア色にしてみたら、なんかはまりすぎって感じだが。プルンプルンと進んでゆくと、今度は上流からカヌーに乗った人々がやってきた。町をあげてのカヌー大会のようだ。 今度はカヌーでここに来たいなぁと、次の旅に思いを馳せる。てこてこと川を遡上してゆくと沈下橋を発見した。 沈下橋とは、雨で川が増水したら沈むように作られた橋である。高知県の四万十川のものが有名だが、ここ、和歌山も雨が結構多いので、時折見かける。ちょっと渡ってみよう!ということでuターンして橋の入り口?を探す。するとこんな所にあった。幅、1メートルくらいか。どうりで最初通ったときに見つからないわけだ。 そろそろと橋の真ん中くらいまで進む。怖い。気分的にはカブの車幅くらいしかない感じだ。そっと右手を見る。 う、怖い。落ちても死にはしないだろうけど、ちょっとね。ちなみに左側は渦を巻いていました。 どうにかこうにか、そろそろと渡りきると、一面の野原になっており、しばし感動した。子供の頃はこういう誰のものだか分からない野原ってあったよなぁと思うとなんだか切ない。今の子供は「野原」の意味なんかわかんないんじゃないかと思った。 その後も民家の軒下のような道や、ちょっとした崖崩れの道を抜け、目的の滝に到着した。 しかし、私はこの滝よりも、この集落にあるお地蔵さんにひかれた。7体ほどのちいさなお地蔵さんが並んでいる。ひとつひとつに湯飲みが置かれ、きれいな花が飾られている。毎日掃除をしている人がいるのだろう。 そのお地蔵さんたちに守られて、ひっそりと学校が建っていた。創立昭和22年とある。廃校だ。山間の小さな平地にめいっぱい取られたグラウンド。この学校を卒業して、そのすぐそばに住み、そして廃校したあとも見守り続けるのはどんな気持ちなんだろう。 この集落は思いもよらず、とても印象に残った。何故か旅ってそういうもので、期待して行くとそのものよりも人混みに疲れてしまったりして、なかなか想像通りには行かない。 県道を進んで行くと、見晴らしのよいところがあったのでカブを止めてお茶にした。さっき購入したゆずのマドレーヌをほおばる。洋菓子のそれとは違い、あっさりした、甘さ控えめのマドレーヌだった。上にはゆずの皮がマーマレードのように乗っており、とても風味がつよい。好きな味だった。1つ1つ丁寧にラップでくるんであり、それをビニール袋に入れてある。ラベルも手書きで、見た感じ折り紙にボールペンで「ゆず」と書き、それをセロハンテープで貼ってあるようだ。 手仕事のあたたかさを感じずにはいられない。(続)
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