日々是迷々之記
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2002年01月21日(月) ダークな会社を愛せない

今日は一人社員の女性が会社を辞めた。私とはほんの10日ほど一緒に仕事をしただけだが、バイクの免許を取得中ということで何となく気が合い、食後雑談をしたりしていた。

それは突然だった。先週の水曜日くらいだっただろうか。「21日まででもう来なくていいですよって言われちゃったんですよ。」と彼女は小さな声で言った。え?何でと聞き返すと、支店長から、「やる気がなさそう」「社風に合わない」「向上心がない」、から辞めて下さいと言われたのだそうな。彼女は地味だがごく普通の女性で、率先して電話は取るし、来客対応も率先してやるタイプだ。いろんな会社を転々としてきた私が見ても「やる気がなさそう」とはとても思えない。要は社員減らしなのだろう。

しかし、彼女は専門学校を卒業して、派遣でこの会社に来て、1ヶ月後に社員になって下さいと引き抜かれ、その2ヶ月後にリストラだ。自分に非があったと思いこんで落ち込んでいる。「…どうしたらやる気を見せることができるんでしょうか。」と小さな声で言った。

「会社は正社員から派遣社員に切り替えることによって、経費は半分になるんやで。せやから単に金けちりたいだけなんや。ほやけど、「儲かってないからアンタ辞めて。」って言ったら経営側の無能をさらけ出すことになるやろ?それが嫌やから「社風に合わない」とかどうとでもとれるようなことを言ってるだけやで。自分やったらどこへ行ってもやっていけるで。」と私は言った。特に最後の部分が彼女に届くようにと願いながら。

「ありがとうございます。」彼女は静かに仕事へ戻っていった。それからも何も変わることなく仕事を続け、今日を迎えた。

そして昼食の時間。私が食事を終えてコーヒーを飲んでいると、彼女がお弁当を買って帰ってきた。「支店長が「退職願」を書けって言うんですよ。私から言い出したことではないからって断ると「事務処理上のことで使うだけだから。」って言うんですけど、書いた方がいいんですかね?」と言った。彼女は勤務期間が短いから分からないが、一般的には自己都合と会社都合では失業保険の面で差が出たはずだ。にしろ、自分の都合で辞めるわけではないのに「退職願」は筋が通ってないので書かない方がいいよと言っておいた。

次に今病院にかかっているけれど、健康保険はどうしたらいいと思いますか?と聞かれた。ビックリした。会社側が説明をしていないのだ。普通はするだろ?って思うけど…。私は任意継続という制度で最長2年は今の保険を続けることができるはずだから、社会保険事務所あたりで尋ねたらいいよと言っておいた。

しかし、辞める人を気持ちよく送り出すくらいの余裕はないのかね?と思わずにはいられない。結局彼女は6時頃、「お世話になりました。」「お疲れさん。」のやりとりだけで会社を後にした。送別会も何もないってのもすごい。

今日は仕事上でもいろいろな問題が露出して愕然とした。と、同時に仕事がこなせないのは私が悪いのではなく、会社の旧態依然としたシステム、皆のやる気のなさから来る管理の杜撰さが原因だと確信でき、気が楽になった。

そのへんはちょこちょことこの日記で晒していこうと思う。派遣社員は会社を愛せないのだ。って、社員さんもちぃ〜っとも会社を愛してるとは思えないけど。


nao-zo |MAIL

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